2007年 05月 31日 ( 1 )


本の冒頭の章「忘れられた本の墓場」、物語はここから始まります。
時は1945年、ナレーターのダニエルは当時10歳の少年。

”父につれられて、はじめて「忘れられた本の墓場」を訪問したあの夜明けのことを、僕はいまでもよく覚えている。”

書き出しはこうでしたね。朝の5時ころ、悪夢にうなされ飛び起きた少年ダニエルを、お父さんはしっかり抱きしめると、

「闇の中でしか、見えないものもあるんだよ」

と不思議な微笑をたたえて、朝もやの漂う薄暗い町を、そのミステリアスな場所に連れて行ってくれた、それが「忘れられた本の墓場」。

”僕たちはアルコ・デル・テアトロ通りの入り口につき、ラバル地区に足を踏み入れた。”

ラバル地区------ 10年位前まではチノ地区と呼ばれ、バルセロナでも危険地区ナンバーファイブの一つでした。ごく最近まで、昼間でも一人で通るにはかなりの度胸が必要な場所でした。
当然不動産も安かったので、今は新しいアパートホテルが次々と建ち、しゃれたバールやレストランができ、MACBA(バルセロナ現代美術館)ができたおかげで、すっかり様子が変わってきました。

それでも、このアルコ・デル・テアトロ通りは、お一人で歩くことはお勧めしません。

ランブラス通りに面した入り口は、別世界に入り込む穴のようです。
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明るい昼間でも、内部は暗く、ほとんど先が見えないほど。

中に入ると、すぐ入り口に小さなスタンドバーがあります。
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上を見上げると、そそり立つ古い建物
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「道というよりも、傷跡みたいな細い通り」
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「ランブラス通りのきらめきは、いつのまにか、ぼくらの背後で消えてしまった。」
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通りを整備したので、きれいになりましたが、以前は足元にかなり気を使わないといけない、とても汚い通りでした。ピソが並んでいても、めったに通人もいません。
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この通りをまっすぐ行くと、EOI, オフィシャル語学学校があります。私も都合8年くらい通いました。でもこの通りを通ることはめったにありませんでした。
一度、ドイツ語のクラスメートの男性についていってもらって通ったほどです。

この通りには、彫刻のある門扉のついた「棄てられた宮殿の亡き骸」も「「残響と影の美術館」らしき建物もありません。そういった建物は、バルセロナの旧市街にごまんとあるのですが、ここにはありません。

横の道に入ると、アーチを描いた建物。駐車場です。
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その近くにある門扉
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この扉のドアノッカーは、忘れられた本の墓場の管理人イサックを思わせる、小悪魔の彫刻のついたドアノッカーではありません。


私はまさにそれと思われるドアノッカーを、Sant Felip Neri広場に通じる細い道で見つけました。もっとも、この建物は「宮殿の亡き骸」ではなく、普通のピソなのですが。
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この悪魔
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「ドアノッカーの小悪魔と、ほとんど瓜二つに見えた」 という管理人のイサック・モンフェルトを彷彿させませんか?
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この門の上のバルコニーから、こんなものが覗いていたんですよ。
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旧市街には宮殿がたくさんあります。ピカソ美術館やテキスタイル美術館など、ミュージアムになったものも数多くあります。 

ほとんどの宮殿(palacio)と呼ばれる建物は、門を入るとパティオがあって、石の階段が上に続き、正面玄関は階段の上にあります。
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これはMontcada通りのある建物。


門扉は立派な彫刻のノッカーがついています。内部は、ミステリアスです。
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次回は、ダニエルの住んでいたピソ及びそのお店のあたりを歩いて見ましょう。

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by gyuopera | 2007-05-31 18:22 | 風の影 Sombra de viento | Comments(12)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


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