2007年 02月 01日
Vilhem Hammershoi の展覧会 |
今バルセロナのCCCB(バルセロナ現代カルチャーセンター)で、デンマークの画家Vilhem Hammershoi (1864-1916)と 映画監督Carl Th. Dreyer (1889-1968)の合同展覧会をやっています。
Hammershoi は、新聞でそのニュースと絵を見たときから、見たくてたまりませんでしたが、なかなか時間が取れなくて、やっと昨日、夕方から見に行ってきました。
CCCBは、MACBA(バルセロナ現代美術館)のすぐ隣にある、とてもすばらしい建物です。
古い建物をきれいに修復、そこに隣接して超モダンなガラス張りの建物があり、展示会はその中です。
ここには何度も来ているのですが、展覧会は初めてです。
壁にサン・ジョルディの彫刻のあるパティオです。
こちらから地下に降りてゆきます
壁の絵もきれいですね。
広々とした地下ホールは、今世界の絵本展を開催中。Hammershoi の展覧会は、入場券を買って、今度は長いエスカレーターでガラス張りの新館に登ってゆきます。
初めてなので、ドキドキ。 パティオがよく見えます。
エスカレーターを降りたらかなり暗い。まっすぐ、トンネルのようなところを進んでゆきます。わずかな明かり。
はじめはCarl Th. Dreyer の映画を見ることができるようになっているところ。
廊下に壁にはめ込まれたテレビがずらりと並び、その前の床を踏むと、画面が動き始めます。もちろん全部白黒で、なかなかきれいな映画もあったのですが、そこまで時間がなかったので、Hammershoi の展示会に進みました。
展示空間がとても凝っていて、迷路のようになっています。何枚か並んでいるところもあれば、行き止まりの廊下に一枚だけかかっていたり。 照明も明るいものと、すごく暗いものと。
Hammershoi の絵は、モノクロ写真を思わせるものでした。描かれている人物は黒い衣装、ほとんど室内の絵ですが、壁やドアは白、床は黒に近いグレー。 ひたすら、「静寂」を感じました。
Hammershoi のホームページから写真をお借りしましょう。
このモノクロの静かな世界に浸り、出たときはなんだかぼんやりしてしまいました。
夕闇が迫っていました。
昼間とは違った雰囲気のパティオ
このCCCBの館長で、哲学者・政治アナリストでもあるJosep Ramonedaは、人々がこのセンターを訪れたたあと、ものの見方を変えさせるような試みをしようとしている、と語っていますが、普通の展覧会とはかなり趣が変わって、ある程度その試みは成功しているのではと思いました。
同時に映画の展示会もしていて、いたるところにスクリーンと座席があって、かなり面白そうでした。残念ながらいつものこと、時間がなく、もう一度入れる切符をもらって帰りました。
バルセロナにこの時期いらっしゃる方は、ぜひおいでになって見られるといいと思います。
↓ クリックしていただけると励みになります。
Hammershoi は、新聞でそのニュースと絵を見たときから、見たくてたまりませんでしたが、なかなか時間が取れなくて、やっと昨日、夕方から見に行ってきました。
CCCBは、MACBA(バルセロナ現代美術館)のすぐ隣にある、とてもすばらしい建物です。
古い建物をきれいに修復、そこに隣接して超モダンなガラス張りの建物があり、展示会はその中です。
ここには何度も来ているのですが、展覧会は初めてです。
壁にサン・ジョルディの彫刻のあるパティオです。
こちらから地下に降りてゆきます
壁の絵もきれいですね。
広々とした地下ホールは、今世界の絵本展を開催中。Hammershoi の展覧会は、入場券を買って、今度は長いエスカレーターでガラス張りの新館に登ってゆきます。
初めてなので、ドキドキ。 パティオがよく見えます。
エスカレーターを降りたらかなり暗い。まっすぐ、トンネルのようなところを進んでゆきます。わずかな明かり。
はじめはCarl Th. Dreyer の映画を見ることができるようになっているところ。
廊下に壁にはめ込まれたテレビがずらりと並び、その前の床を踏むと、画面が動き始めます。もちろん全部白黒で、なかなかきれいな映画もあったのですが、そこまで時間がなかったので、Hammershoi の展示会に進みました。
展示空間がとても凝っていて、迷路のようになっています。何枚か並んでいるところもあれば、行き止まりの廊下に一枚だけかかっていたり。 照明も明るいものと、すごく暗いものと。
Hammershoi の絵は、モノクロ写真を思わせるものでした。描かれている人物は黒い衣装、ほとんど室内の絵ですが、壁やドアは白、床は黒に近いグレー。 ひたすら、「静寂」を感じました。
Hammershoi のホームページから写真をお借りしましょう。
このモノクロの静かな世界に浸り、出たときはなんだかぼんやりしてしまいました。
夕闇が迫っていました。
昼間とは違った雰囲気のパティオ
このCCCBの館長で、哲学者・政治アナリストでもあるJosep Ramonedaは、人々がこのセンターを訪れたたあと、ものの見方を変えさせるような試みをしようとしている、と語っていますが、普通の展覧会とはかなり趣が変わって、ある程度その試みは成功しているのではと思いました。
同時に映画の展示会もしていて、いたるところにスクリーンと座席があって、かなり面白そうでした。残念ながらいつものこと、時間がなく、もう一度入れる切符をもらって帰りました。
バルセロナにこの時期いらっしゃる方は、ぜひおいでになって見られるといいと思います。
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by gyuopera
| 2007-02-01 00:08
| 展覧会、展示会 exposition
|
Comments(15)
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stcl at 2007-02-01 10:16
おお、すばらしい絵です。高校生のころ、こんな絵を書きたいとずっと思ってました。Hammershoiは、はじめて聞く名前ですが、知ってよかったです。
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raindropsonroses at 2007-02-01 11:18
gyuさんへ。
おはようございます。チョッと今日は興奮しています。Vilhelm Hammershoiは僕の大好きな画家!ウチに一冊、宝物にしている画集があります。彼の絵からは「静寂の音」を感じるんです。雪がしんしんと降り積もった時に聞こえるような音が。フルメールなんかよりもずっと好き。去年、初めてスペインに行って感じた事は、芸術に関して物凄く充実していると言う事。なんて贅沢な国なんでしょうね……あぁ、実物を観に行きたいです(笑)それにしても、フランスやスペイン、イギリスの有名な画家だけじゃなくて、世界にはあまり名前が知られていない素晴しい画家が沢山いるんですね……自分の勉強不足を思い知らされます。
ブノワ。
おはようございます。チョッと今日は興奮しています。Vilhelm Hammershoiは僕の大好きな画家!ウチに一冊、宝物にしている画集があります。彼の絵からは「静寂の音」を感じるんです。雪がしんしんと降り積もった時に聞こえるような音が。フルメールなんかよりもずっと好き。去年、初めてスペインに行って感じた事は、芸術に関して物凄く充実していると言う事。なんて贅沢な国なんでしょうね……あぁ、実物を観に行きたいです(笑)それにしても、フランスやスペイン、イギリスの有名な画家だけじゃなくて、世界にはあまり名前が知られていない素晴しい画家が沢山いるんですね……自分の勉強不足を思い知らされます。
ブノワ。
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AoimikanM at 2007-02-01 11:40
gyuさん、こんにちは。Vilhelm Hammershoi大好きです。
淋しいくらい静かな絵の中から人間のいとなみの真髄を感じます。
バルセロナ現代美術館は行った事があるのですが、こちらはもう閉館時間で入る事も出来なかったのです。
もちろん、 Hammershoi画伯を観れた訳ではないのですが、バルセロナの美術に対する斬新な試みは有名ですね。
行きたい所ばかり! 私は美大出身なので絵も描くのですが、やはり好きな画家の絵に影響されてしまうので反省して、、、、
自分の絵、というのを極めたいです、いつか。
*ねね
淋しいくらい静かな絵の中から人間のいとなみの真髄を感じます。
バルセロナ現代美術館は行った事があるのですが、こちらはもう閉館時間で入る事も出来なかったのです。
もちろん、 Hammershoi画伯を観れた訳ではないのですが、バルセロナの美術に対する斬新な試みは有名ですね。
行きたい所ばかり! 私は美大出身なので絵も描くのですが、やはり好きな画家の絵に影響されてしまうので反省して、、、、
自分の絵、というのを極めたいです、いつか。
*ねね
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mam
at 2007-02-01 14:12
x
本当ですね。モノクロ写真の様。
人物を真正面から描いた物がないんですね。
どれも静寂の中で、せつなげ・・・
私は全然絵は描けませんが、観るのは好きです。(こちらも詳しくはないですが)
素敵な絵の紹介。ありがとうございます。
人物を真正面から描いた物がないんですね。
どれも静寂の中で、せつなげ・・・
私は全然絵は描けませんが、観るのは好きです。(こちらも詳しくはないですが)
素敵な絵の紹介。ありがとうございます。
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gyuopera at 2007-02-01 15:44
♪ stclさん、おはようございます。
私もHammershoiという画家を、この展覧会で初めて知りました。難しい名前だから、なかなか覚えられません。こうして一連の作品をたっぷり見ると、感動が沸き起こってきます。すばらしい画家だな、と思い、出会えたことをうれしく思いました。
私もHammershoiという画家を、この展覧会で初めて知りました。難しい名前だから、なかなか覚えられません。こうして一連の作品をたっぷり見ると、感動が沸き起こってきます。すばらしい画家だな、と思い、出会えたことをうれしく思いました。
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gyuopera at 2007-02-01 15:48
♪ ブノワさん、いつもコメントをありがとうございます。
Hammershoiがブノワさんのお気に入りの画家だったのですね。私は今回初めて彼の存在を知ったのですが、すばらしいと思いました。
絵の中には、カタルニァの画家、Santiago Rusinyolを思わせるものもありましたが、Hammershoiのほうがずっと徹底してモノクロームの世界を描いています。感動しました。今日もう一度行って、画集を買ってこようと思います。
Hammershoiがブノワさんのお気に入りの画家だったのですね。私は今回初めて彼の存在を知ったのですが、すばらしいと思いました。
絵の中には、カタルニァの画家、Santiago Rusinyolを思わせるものもありましたが、Hammershoiのほうがずっと徹底してモノクロームの世界を描いています。感動しました。今日もう一度行って、画集を買ってこようと思います。
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gyuopera at 2007-02-01 15:55
♪ *ねねさん、いつもコメントをありがとうございます。ねねさんもHammershoiが大好きな画家なんですね。私はその存在を今回の展覧会で初めて知って、出会えてよかった、と思いました。
バルセロナ現代美術館MACBAは、建物は真っ白で大きいのですが、内部の展示物にはいつも失望です。
こちらのCCCBはその隣にある建物ですが、展示の仕方がとてもユニークです。それ自体も芸術性の高いものと思います。
ねねさんは絵をお描きになるのですね。絵の才能のある人がとてもうらやましいです。
バルセロナ現代美術館MACBAは、建物は真っ白で大きいのですが、内部の展示物にはいつも失望です。
こちらのCCCBはその隣にある建物ですが、展示の仕方がとてもユニークです。それ自体も芸術性の高いものと思います。
ねねさんは絵をお描きになるのですね。絵の才能のある人がとてもうらやましいです。
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gyuopera at 2007-02-01 16:08
♪mamさん、おはようございます。
Hammershoiをググると、かなりたくさん出てくるのでびっくりしました。日本ではほとんど紹介されていない画家ではないでしょうか。
こうして一連の作品を見ていると、静かに沸き起こってくる感動・・・ この画家に出会えてよかったな、と思いました。
こういう絵は、絶対に一人で行って静かに鑑賞するに限りますね。もう一度行ってこよう。
Hammershoiをググると、かなりたくさん出てくるのでびっくりしました。日本ではほとんど紹介されていない画家ではないでしょうか。
こうして一連の作品を見ていると、静かに沸き起こってくる感動・・・ この画家に出会えてよかったな、と思いました。
こういう絵は、絶対に一人で行って静かに鑑賞するに限りますね。もう一度行ってこよう。
gyuさん、コメントをありがとうございました。
現在終了させたblogですが、見つけてくださって、とってもうれしかったです。
昨年秋に、デンマークのordrupgaard美術館http://www.ordrupgaard.dk/で、かなりの作品を見てきました。
静かだけれど、深く奏でらえているものがあるのを、たっぷりと感じてきました。
日本では、始まったオルセー美術館展に一点?来ているようですね。
また、情報では来年、国立西洋で、ハマスホイ展を開催するようです。
また、ハマスホイのこと、ぜひエントリーしてください。
楽しみにしています。
現在終了させたblogですが、見つけてくださって、とってもうれしかったです。
昨年秋に、デンマークのordrupgaard美術館http://www.ordrupgaard.dk/で、かなりの作品を見てきました。
静かだけれど、深く奏でらえているものがあるのを、たっぷりと感じてきました。
日本では、始まったオルセー美術館展に一点?来ているようですね。
また、情報では来年、国立西洋で、ハマスホイ展を開催するようです。
また、ハマスホイのこと、ぜひエントリーしてください。
楽しみにしています。
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alex
at 2007-02-01 19:55
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こんばんは。1枚目の絵を見たときに、以前誰かの絵を見たときと同じ光を感じたのですが…思い出せません。あまり詳しくないので。この方の絵は初めて見たと思いますが、素敵なグレーですね。雄弁で豊かだけれど静かな色。来年国立西洋に来るのなら、本物を見たいと思いました。目の保養とはこういうことかと今実感しています。ありがとうございました。
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gyuopera at 2007-02-01 21:04
♪hinataさん、早速コメントをありがとうございました。2005年に終わっているブログですのに、どうもありがとうございました。とても精力的に活躍なさっていらっしゃるのですね。すばらしいと思います。
今日はもう一度行って、画集を買ってきました。この画家を知ることができてとてもよかったです。
今日はもう一度行って、画集を買ってきました。この画家を知ることができてとてもよかったです。
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gyuopera at 2007-02-01 21:07
♪alexさん、こんにちは。
どの絵もとても静かな雰囲気ですね。見ながら、静かに湧き上がってくる感動・・・・ おわったあとはほーっとしばらくぼんやりしてしまいました。
日本で展覧会をやると、また人の山でしょうね。この絵は人ごみの中で見る絵ではなく、一人で静かにじっくり見る絵です。そんな雰囲気にならないのが日本の残念なところですね。それだけたくさんの人が絵に興味を持っているのでしょうが・・・
どの絵もとても静かな雰囲気ですね。見ながら、静かに湧き上がってくる感動・・・・ おわったあとはほーっとしばらくぼんやりしてしまいました。
日本で展覧会をやると、また人の山でしょうね。この絵は人ごみの中で見る絵ではなく、一人で静かにじっくり見る絵です。そんな雰囲気にならないのが日本の残念なところですね。それだけたくさんの人が絵に興味を持っているのでしょうが・・・
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darklady
at 2007-02-02 09:59
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初めて聞く名前の画家さんですが どこかで見たことのあるそんな雰囲気の絵ですね 静けさに満ちて それでいて カメラで部屋をのぞいているような構図じゃありませんか
素敵な建物で すばらしい感性を引き出してくれるような展示に Blogを見ている私たちにも興味深々ですね
古い建物と美術展が上手に生かされてうらやましいです
日本では六本木に新しい巨大な国立美術館ができたんですが
芸術を振興するという文化庁の考えが 建物を造る費用に消えるだけならつまらないです 380億円ですって もちろん建築家の美意識や環境との調和も一つの美術作品なのでしょうけれども...
素敵な建物で すばらしい感性を引き出してくれるような展示に Blogを見ている私たちにも興味深々ですね
古い建物と美術展が上手に生かされてうらやましいです
日本では六本木に新しい巨大な国立美術館ができたんですが
芸術を振興するという文化庁の考えが 建物を造る費用に消えるだけならつまらないです 380億円ですって もちろん建築家の美意識や環境との調和も一つの美術作品なのでしょうけれども...
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gyuopera at 2007-02-02 15:38
♪darkladyさん、日本でももと〇〇邸を美術館にしたというのがよくありますね。そんなに規模が大きくないから、展示できる数は限られているのかもしれませんが、建物自体が見て楽しいというのは良いですね。
六本木の美術館は、それが市民に憩いの場を提供するならいいと思いますが、もっと先にすることがありそうな気もしますね。
六本木の美術館は、それが市民に憩いの場を提供するならいいと思いますが、もっと先にすることがありそうな気もしますね。
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by
jacarandaまきお
at 2007-02-03 03:26
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タイル綺麗~☆