マドリード8 セラルボ美術館5

宴の間(バンケットルーム)に続く部屋はビリヤード室。
美術館の説明
この部屋はおそらくダイニングルームの準備室の一部として利用されていたと考えられる。なぜなら地下の大台所とつながる滑車が今日両サイドの長椅子の突き当りの狭い扉の裏側に残されている。そこにはウォーターサーバー(蛇口付き)もそのまま残されており、サーバーそのものにはアラバスター(雪花石膏)を見事に彫刻した飾りカバーが取り付けられている。このような実用的用具もさることながらこの部屋の主役はリクレーションで、特にビリヤード用に考えられている。ビリヤードは19世紀の紳士の間で好まれたゲームで、部屋の中央にキャロムテーブルが配置されている。他のインテリアもゲームを中心に配慮されていて、高めの椅子や格納式ステップ付きのビリヤード用の椅子は女性がゆっくりとゲームを高めから見学できるように考えられている。照明は横長で台全体にはっきりと照らされるようになっており、チューリップ型のランプシェードのおかげで、台上に視点が集中でき、部屋の他の場所は薄暗がりになる趣向。部屋の壁面は時代も画家も絵の素材も様々な貴婦人と紳士のたくさんの肖像画で飾られている。
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残念ながら、ロープが張ってあって中まで入れません。これは美術館のサイトの写真。
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素敵なレリーフのついた扉
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角部屋
美術館の説明
ビリヤードルームに続きこの部屋もリクレーション用で、フェラス通りとベントゥーラロドリゲス通りが合流する建物のファサードの場所にあるため、部屋の名前そのまま角部屋となる。この部屋は招待客同士の交流や世間話をしたり、踊りと踊りの合間の休憩場所として設けられている。造形装飾はマクシモ・フデリアス(1867年-1951年)が担当。彫像のモチーフの作者であり、ほとんどの絵画も彼によるもので、天井画の音楽や絵画を暗示している図柄そして壁画は麦刈りの昼の休憩やハロン川の川岸から見える朝焼け、セラルボ家の夏の別荘ソリアのサンタ・マリア・デ・ウエルタ宮殿の庭園が描かれている。バレンシアの農園での民衆の踊りという絵に関してはホセ・ソリアノ(1873年-1937年)の作になる。椅子類はロココ様式で、輪になって歓談するのには相応しい。床はセメントタイルで19世紀のブルジョアの内装に急速に浸透した新技術で、その床の上には19世紀フランスのオーブソン社製の工芸品の絨毯が敷かれている。バルコニー側のカーテン上部のものも同社製。

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天使の像がとても素敵
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執務室
美術館の説明
この部屋はセラルボ侯爵のパーソナリティを一番密接に感じられるところで、用途性のない壮麗な空間は著名な訪問客を迎えるにふさわしい。フェルディナンド調(古典的な19世紀フランス家具)シリンダートップ型ライティングビューローには、価値の高い物や実用性より付加価値の高い品々がぎっしりしまわれている。中央の机の上にもカルリスタスの頃の思い出、神と国家と王に誓いたてる象徴でもあるピストルをはじめ、膨大な量の物品が所狭しと置かれている。他の部屋にも展示されているように、絵画への特別な興味はもちろんのこと、セラルボ侯爵の考古学に関する物や骨董品、その他の蒐集品は男爵の他分野への好奇心が理解できる。実際に執務室にある絵画が全絵画コレクションの中で彼が最も大切にしている作品が展示されている。ブロンズィーノ派のアレッサンドロ・ディ・メディチの肖像画がそれである。ただし、暖炉壁面にある当時のプレートにはアンドレア・デル・サルト(16世紀イタリア人画家)作とある。(現在はブロンズィーノ派と解明)ヴァン・ダイク派のマリア・ディ・メディチの肖像画は引き出し付きの飾り戸棚の家具の上に展示されている。石の盾型紋章と第二代セラルボ侯爵の甲冑から侯爵家が多様で高貴な祖先をもっていたことがうかがえる。図書室との境界部の梁には、針の中にムーブメントが隠されているという時計があり、ミステリークロックと呼ばれるそのガラスの文字盤が見る者を驚かせる。

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ここも残念ながら仲間で入れない
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美術館のサイトからお借りした写真
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図書室
美術館の説明
壮麗な書斎と反し、図書室は机の上で広げた文献等を勉強をしたり、知的作業に集中するための実利優先の空間である。この全体的に簡素な室内にはぎっしりと書籍が収められている。この本棚には入手困難なものから1922年に出版されたものまでおよそ1万冊が並び、芸術的、文学的、科学的にとても価値の高い手記の類の所蔵のみならず、当時数学と考古学の分野の資料としてはスペイン国内で最も完備されていた一つに数えられている。またエンリケ侯爵の知識欲への向上心の賜物で蒐集されたのが、旅行、歴史、地理、文学、宗教、法律、政治に関する書物。またガラスケースには幅広い封蝋印、コイン、メダルのコレクションのうちのほんの一部を展示。それらはセラルボ侯爵と義理の息子ビジャ・ウエルタ侯爵が集めたもので、その数は24000を超える。封蝋印はローマ法王や王の印字のものが展示。一連のコインは基本的にはスペイン国内系列なのだが、特に1886年にセラルボ男爵がパリのオークションにて購入したプロスペル・マイエット所蔵の戦時下の硬貨は必見。メダルや勲章、賞状、就任式の書状等はその種類も多く、16世紀から20世紀まで年代順に揃っている。中でもヤコボ・トゥレッツォやポンペオやレオン・レオーニのルネッサンスの時期のコインは格段素晴らしい。
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美術館のサイトからお借りした写真
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ギャラリー
美術館の説明
3つのギャラリーは中庭を囲むように設計されており、それにつながるような形で、一つの部屋から次の部屋が1列に配列され、それらの部屋はベントゥーラ・ロドリゲス通りとフェラス通りに面し、バルコニーが付いている。3つのギャラリーはそれら3つの共同スペースであり数多くの行事が開かれた舞踏室をコの字に挟んで設計されている。これらのギャラリーはセラルボ侯爵自らが招待客が簡単に行き来きしながら、壁にある貴重な絵画の数々や、17世紀のフランチェスコ・デ・ルスチやフランチェスコ・マフェイ作の天井画を鑑賞できるようなイタリアの宮殿を模倣して設計。3つのギャラリーの最初のギャラリー1はこの家の先祖代々またその夫人の肖像画と磁器の壺や時計、長椅子、コンソールテーブルが飾られており、宝石や骨董品は中央のガラスショーケースの中に陳列されている。
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エル・グレコの絵。1600年頃。
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美術館のサイトからお借りした写真
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小さなトイレットルーム
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舞踏室
美術館の説明
グラナダ産のメノウやピレネー山脈の大理石の羽目板使いに灯りを数倍にさせどこまでも光の反射が映るベネチア製の大鏡で装飾されている。この舞踏室で美術館の見学コースは最後になる。天井画はフデリアス・カバジェロによって、1891年から1892年にかけて油絵で描かれ、宮殿内で譲歩された数少ないコンテンポラリーアートに属する。しかしながら、ご覧の通り限りなくアカデミック美術様式を採用していて、当時の前衛的絵画の風潮をよしとする方向性からはかけ離れている。要するにしっかりと宮殿が保ってきた内装の歴史に外れることなくマッチしている。この華麗で光り輝く独特の雰囲気を創り出したのは、すべてこの場所が踊りを楽しむためのムードを醸し出せるようにという配慮からである。天井画の中央は神々が踊りを踊り、その周りでは人間の長い舞踊の歴史が絵で表現されている。そして、ローマ時代風の彫像をクッション付き長椅子やリヨン製の絹の持ち運び椅子等の間に配置して、この「踊りの神殿」は完遂する。この舞踏室は、踊りだけでなく、栄えある考古学の展示会や数学、文学の夕べなども開催されていた。
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美術館のサイトからお借りした写真

上のアーチが3つあるバルコニーは、音楽家たちが演奏をしたところ。
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見ることはできなかったけれど、ほかにも素敵な部屋がたくさん。

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音楽室
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この絵はどこにあるのかわからなかったけれど、素敵。
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本当に興味深いものがいっぱいのミュージアム、今度マドリードに来たら、もう一度行きたいところ。


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by gyuopera | 2018-11-18 17:08 | ミュージアム museos | Comments(0)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera