2013年 10月 29日
Philippe Jaroussky(フィリップ・ジャルスキー)のコンサート |
48H Open houseをちょっと中断。
この日曜日は、今一番脚光を浴びているカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキーのコンサートに行ってきました。
以前はカウンターテナーにあまり興味は無かった、というより、なんとなく不自然さを感じて、魅力を感じなかったのですが、古楽を良く聞くようになると、カウンターテナーが歌うのを頻繁に聞くことになり、今のカウンターテナーは以前に比べテクニックも素晴らしいし、声の質も自然で美しく、あのジャルスキーのコンサートなら行かねば、と思ったわけです。
前回リセウ劇場ででコンサートを行ったときは、ちょうど足を折った時で、残念ながら行けなかったので、今回こそは!といさんでリセウ劇場に行きました。
もうシーズンは10月から始まっていますが、この前のときはちょうど日本に行っていてこれなかったので、久しぶりのリセウ劇場。
早く着いたので、ジュースを一杯。
席は三階の正面よりやや左側。でもステージはよく見えます。
コンサートのときは、オケボックスがせりあがって、そこがステージになるから、オペラのときより少し手前になるわけですね。
チェンバロとチェロ・コントラバスが一段高くなっています。チェンバロは立って弾くわけですね。
初めはオーケストラの演奏。アンドレア・マルコン指揮するOrchestra Barocca di Veneziaというアンサンブルですが、とても良いんです。22人で、フラウタ・トラヴェルソも2本。
初めは賑やかな序曲"obertura de Germanico in Germania"(Nicola Porpora)。む、かなりいい。歯切れの良い演奏です。
いよいよジャルスキー登場。アップテンポのアリア"Mira in cielo"を歌います。天使の声と、悪魔の超絶技巧と言われるのも頷ける凄さ!細かに揺れるコロラトゥーラの一つ一つの音の何と正確なこと!
続いてしっとりとした "Si pietoso il tuo labbro"
Jarousskyの早いテンポの素晴らしいコロラトゥーラの技巧は世間の認めるところですが、こうしたゆったりと美しい静かな曲をじっくり聞かせるのも巧く、声を張り上げることもなく、囁くように、語るように歌うのを聞くのは本当にうっとりするようでした。その繊細なやさしい光のような声は、広いオペラハウスを満たし、聴衆を18世紀のオペラハウスにいざなうのです。
この日曜日は、今一番脚光を浴びているカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキーのコンサートに行ってきました。
以前はカウンターテナーにあまり興味は無かった、というより、なんとなく不自然さを感じて、魅力を感じなかったのですが、古楽を良く聞くようになると、カウンターテナーが歌うのを頻繁に聞くことになり、今のカウンターテナーは以前に比べテクニックも素晴らしいし、声の質も自然で美しく、あのジャルスキーのコンサートなら行かねば、と思ったわけです。
前回リセウ劇場ででコンサートを行ったときは、ちょうど足を折った時で、残念ながら行けなかったので、今回こそは!といさんでリセウ劇場に行きました。
もうシーズンは10月から始まっていますが、この前のときはちょうど日本に行っていてこれなかったので、久しぶりのリセウ劇場。
早く着いたので、ジュースを一杯。
席は三階の正面よりやや左側。でもステージはよく見えます。
コンサートのときは、オケボックスがせりあがって、そこがステージになるから、オペラのときより少し手前になるわけですね。
チェンバロとチェロ・コントラバスが一段高くなっています。チェンバロは立って弾くわけですね。
初めはオーケストラの演奏。アンドレア・マルコン指揮するOrchestra Barocca di Veneziaというアンサンブルですが、とても良いんです。22人で、フラウタ・トラヴェルソも2本。
初めは賑やかな序曲"obertura de Germanico in Germania"(Nicola Porpora)。む、かなりいい。歯切れの良い演奏です。
いよいよジャルスキー登場。アップテンポのアリア"Mira in cielo"を歌います。天使の声と、悪魔の超絶技巧と言われるのも頷ける凄さ!細かに揺れるコロラトゥーラの一つ一つの音の何と正確なこと!
続いてしっとりとした "Si pietoso il tuo labbro"
Jarousskyの早いテンポの素晴らしいコロラトゥーラの技巧は世間の認めるところですが、こうしたゆったりと美しい静かな曲をじっくり聞かせるのも巧く、声を張り上げることもなく、囁くように、語るように歌うのを聞くのは本当にうっとりするようでした。その繊細なやさしい光のような声は、広いオペラハウスを満たし、聴衆を18世紀のオペラハウスにいざなうのです。
続いてオーケストラの演奏でL'Olimpiade"の序曲。これいいですね。大好きです。
再びジャルスキーの歌 Nel gia bramoso petto.
涙が出てくるほど美しく、かつ繊細な歌唱!
続いて Come nave in ria tempesta。超絶技巧というのはこういうことを言うのでしょう。
聞いた後はため息!
ここで前半が終わり。
後半、オーケストラの演奏で Sarti 作曲の La Tempesta.
続いてジャルスキーの歌 "Dall'amor piu sventurato"
親しみのわくメロディーで始まり、途中でアップテンポになり、また元に戻る。
続いて La limpid'onde
オーボエ・ダモーレとフルート・ドラヴェルソの入る、ゆったりとした美しい曲。
個人的には、超絶技巧の曲よりも、こうしたしっとりとした美しい曲の方が好み。
オーケストラの演奏でGeminianiの Concerto grosso en Re menor。
素晴らしい演奏でした。このオーケストラだけのコンサートでも満足してしまう。
違う曲ですが、このオーケストラの演奏のビデオ
そして再びジャルスキーの最後の "Alto Giove"
違う曲ですが、このオーケストラの演奏のビデオ
そして再びジャルスキーの最後の "Alto Giove"
初めのAを長く伸ばし、だんだん膨らませてまた弱くする、メッッサ・ディ・ボーチェの美しさ。
素晴らしい終わりでした。
大喝さいを受け、何と4曲もアンコールしてくれました。
素晴らしい終わりでした。
大喝さいを受け、何と4曲もアンコールしてくれました。
アンコールのときは、指揮者のマルコンとともにバルサのスカーフを首に掛けて出てきました。
で、歌うときは、垂れたスカーフをさっと後ろにはねて、首に巻き付けて歌いました。
後で記事を読んだら、ジャルスキーは別にバルサのファンでもサッカーが好きでもないけれど、マルコンの提案でスカーフを垂らしたということでしたが、リセウ側で用意したのかもしれません。
今世界中で注目のジャルスキー, 演奏も素晴らしければ、とても好感が持てるステージで、すっかり魅了されてしまいました。
今世界中で注目のジャルスキー, 演奏も素晴らしければ、とても好感が持てるステージで、すっかり魅了されてしまいました。
コンサートの後、感激を胸に秘め、すぐ帰ってしまったのですが、サインを求めるファンの列は、アーティスト入口からリセウ劇場正面玄関を過ぎ、横の道まで続いていたそうです。むう、私ももらえばよかった!
上の画像はLiceuのFBからお借りしました。
上の画像はLiceuのFBからお借りしました。
家に帰ってから、ジャルスキーのYoutubeを検索すると、何と2000以上もあるのです!
聞いているうちに、どんどん引き込まれてしまいました。
これはぜひ見ていただきたい素晴らしいライヴ。すでに270万回も再生されている大ヒットの曲。
終わりの部分に、名誉あるヴィクトワール賞を受けている場面が入ります。
これはぜひ見ていただきたい素晴らしいライヴ。すでに270万回も再生されている大ヒットの曲。
終わりの部分に、名誉あるヴィクトワール賞を受けている場面が入ります。
まだ少年の面影を残すジャルスキーがスピーチをしていますが、バリトンの地声。
これも本当に美しい曲。
有名なLascia chio pianga。タイトル通り泣けてしまいます。これもとても素敵な歌唱です。
ヘンデルの"Ombra mai fù"
これも本当に美しい曲。
有名なLascia chio pianga。タイトル通り泣けてしまいます。これもとても素敵な歌唱です。
ヘンデルの"Ombra mai fù"
これはあまりにも有名だし、特に好きでなかったのに、ジャルスキーの歌で大好きになってしまいました。
こんな楽しいライヴも
http://www.youtube.com/watch?v=EzB62rYOI1Q&list=RD02M9A-EbjwPhQ
アルトのLemieuxとケンカしながら歌う楽しいライヴ
http://www.youtube.com/watch?v=p5mFambl-1g&list=RDwnLM2QhCPPs
大爆笑の "sound the trompet"
Vivaldiの素晴らしいStabat Mater
http://www.youtube.com/watch?v=dFuEQEs6A24&list=RDwnLM2QhCPPs
ちなみに日本ではジャルスキーと呼んでいますが、フランスのアナウンサーの発音を聞くと、ジャロウスキーと、ほぼ綴り通りに呼んでいます。ジャルというと、Jalに聞こえてしまいませんか?
↓クリックしていただけると励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。
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こんな楽しいライヴも
http://www.youtube.com/watch?v=EzB62rYOI1Q&list=RD02M9A-EbjwPhQ
アルトのLemieuxとケンカしながら歌う楽しいライヴ
http://www.youtube.com/watch?v=p5mFambl-1g&list=RDwnLM2QhCPPs
大爆笑の "sound the trompet"
Vivaldiの素晴らしいStabat Mater
http://www.youtube.com/watch?v=dFuEQEs6A24&list=RDwnLM2QhCPPs
ちなみに日本ではジャルスキーと呼んでいますが、フランスのアナウンサーの発音を聞くと、ジャロウスキーと、ほぼ綴り通りに呼んでいます。ジャルというと、Jalに聞こえてしまいませんか?
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by gyuopera
| 2013-10-29 06:24
| オペラ、コンサート musica
|
Comments(4)
ジャルースキー、覚えておきたい名前ですね。
昔、映画ファリネッリを見て、カストラートの素晴らしさを堪能したと同時にカウンターテナーにも興味を覚え、
その後、何度か聴く機会がありました。
日本人でも、カウンターテナーをひっさげて活躍する人が若い人の中にも現れ楽しみの一つです。
掲載された動画、素敵ですね、どれも。
そしてリセウ劇場の素晴らしさ、その洗練されたデザイン、一度は見てみたかったです。十数回もバルセロナに行っていながら・・・。
やはりカタルーニャ、あるいはバルサのペナントを背負ってカーテンコールですか、愉快ですねぇ。
昔、映画ファリネッリを見て、カストラートの素晴らしさを堪能したと同時にカウンターテナーにも興味を覚え、
その後、何度か聴く機会がありました。
日本人でも、カウンターテナーをひっさげて活躍する人が若い人の中にも現れ楽しみの一つです。
掲載された動画、素敵ですね、どれも。
そしてリセウ劇場の素晴らしさ、その洗練されたデザイン、一度は見てみたかったです。十数回もバルセロナに行っていながら・・・。
やはりカタルーニャ、あるいはバルサのペナントを背負ってカーテンコールですか、愉快ですねぇ。
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by
gyuopera at 2013-10-31 13:49
♪ ぐらっぱ亭さん、おはようございます。
日本人のカウンターテナー、何度か聞いたことがあります。実は今回、そこまで期待はしていなかったのですが、あまりの美しい声に、本当に聞き惚れてしまいました。またオーケストラがとても良かったんだなあ!
やっぱり生演奏はいいですね。久しぶりに興奮しました。
まあ、バルセロナにそんなに何度もいらっしゃったのですか。ここはバルセロナの最も誇れる場所の一つです。かなりけばけばしいけれど、オペラハウスくらいはこういうところがあってもいいと思います。
日本人のカウンターテナー、何度か聞いたことがあります。実は今回、そこまで期待はしていなかったのですが、あまりの美しい声に、本当に聞き惚れてしまいました。またオーケストラがとても良かったんだなあ!
やっぱり生演奏はいいですね。久しぶりに興奮しました。
まあ、バルセロナにそんなに何度もいらっしゃったのですか。ここはバルセロナの最も誇れる場所の一つです。かなりけばけばしいけれど、オペラハウスくらいはこういうところがあってもいいと思います。
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by
jacaranda
at 2013-11-01 23:10
x
gyuさん こんにちは
帰国後怒涛のようにやることがあってちょっと今日の夕方に1つはめどがついたところです。(また次が迫っていますが^ ^;)
私も楽しい旅でした。
palauでの公演も観て、とても素晴らしかったです。
団体で来てたアジア人、途中で呼ばれて帰っていました。(日本人かはわかりません)、ツアーの都合と思いますが一番前の方の真ん中あたりの席だったのにもったいないなぁ~と思いました。
まきお
帰国後怒涛のようにやることがあってちょっと今日の夕方に1つはめどがついたところです。(また次が迫っていますが^ ^;)
私も楽しい旅でした。
palauでの公演も観て、とても素晴らしかったです。
団体で来てたアジア人、途中で呼ばれて帰っていました。(日本人かはわかりません)、ツアーの都合と思いますが一番前の方の真ん中あたりの席だったのにもったいないなぁ~と思いました。
まきお
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gyuopera at 2013-11-05 07:34
♪ jacarandaまきおさん、こんばんは。
バルセロナ滞在、楽しまれたようで良かったですね。
本は買えましたか?
コンサートの途中で帰ってしまうなんて、あとフラメンコにでも行ったんでしょうか。ほんと、勿体ないですね。
バルセロナ滞在、楽しまれたようで良かったですね。
本は買えましたか?
コンサートの途中で帰ってしまうなんて、あとフラメンコにでも行ったんでしょうか。ほんと、勿体ないですね。