2010年 06月 12日
ブロンズのフィギュア Figuras de bronce |
私の実家は駅前のレストランでした。
当時、学校の先生方や芸術家たちが良く来たので、絵や彫刻に興味を持っていた母は、彼らから油絵やブロンズ像を買い、ホールに飾ってありました。自分も油絵を描き、今でも母の家には当時の習作がたくさん置いてあります。美術全集も揃えてあり、雑誌は「芸術新潮」を取っていました。
子供たちの私たちは、自然と美術に触れることが出来、展覧会などもよくつれていってもらった記憶があります。でも、だれも芸術的な才能がなかったので、そちらの方面にはだれも進みませんでした。
東京で一人暮らしをするようになってからも、また結婚してからも、機会があると画廊を覗いたり、展覧会を見に行くのが好きでしたが、それは今も変わりません。
バルセロナでマンションを買ったころから、家具が一応そろうと、今度は絵やブロンズ像が欲しくなって、毎週末画廊やオークションハウスをめぐり、結構な数の絵やブロンズを買いました。
でも絵は、壁がないと飾れません。我が家はもう壁が残ってないので、絵を買うのはストップしました。
ブロンズをはじめとするフィギュア、アールヌーボー・アール・デコのものには特に惹かれますが、とにかくお高い。
グラシア大通り55番地のアンティーク街の、当時は一番大きなアンティークショップにたくさんそろっていて、10回払いでやっと買ったのが、大理石とカラミーナのアールヌーボーの夫人像。
これを買ったとき、
「後ろ姿がとても美しいので、鏡のある家具の上に置くといいですよ」
と言われ、そういった家具を探して買いました。
もちろん、フィギュアのほうがお高かったですよ。
こんな本を買って勉強もしました。
とにかく美術品は高かったから、そんなに簡単には買えませんでした。
先月、スペインのネットオークションで、閉店セールをやっているアンティークショップがありました。商品の中にブロンズがたくさんありましたが、それがびっくりするほどお安くなっていたのです。本当に、信じられないくらい…
日本からお金を取り寄せて、7体買いました。
こんなフィギュアたちです。
少女のバレリーナ
この2点はかのChiparusの作品
ねこと遊ぶ少女
笑い声が聞こえてくるようでしょう
ハトに語りかける夫人
不思議な静けさを感じます
たばこを吸っているんじゃなくて、呼子のようなものを吹いている男の子
すごく表情がいい
口笛を吹く少年
この少年は裸足なんです。
ポケットに手を突っ込んで、肩をそらして、精いっぱい背伸びをしている。ちょっと感動しました。
初めは美しいだけのフィギュアに目が行っていたのですが、今回のはその表現力の豊かさに参ってしまったようです。
これらのブロンズのフィギュアはそんなに大きなものではありませんが、その存在感はかなりのものです。でも、部屋の雰囲気を変えてくれることは請け負いますよ。
このフィギュアたちに興味のある方、こちらをクリックください。
~お知らせ~
卑猥な言葉を連ねて投稿してくる輩が後を絶たないので、申し訳ございませんが、しばらくの間、コメントは承認制にさせていただきます。
こういう日本人がいるというのは、悲しいことです…
↓クリックしていただけると励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。
当時、学校の先生方や芸術家たちが良く来たので、絵や彫刻に興味を持っていた母は、彼らから油絵やブロンズ像を買い、ホールに飾ってありました。自分も油絵を描き、今でも母の家には当時の習作がたくさん置いてあります。美術全集も揃えてあり、雑誌は「芸術新潮」を取っていました。
子供たちの私たちは、自然と美術に触れることが出来、展覧会などもよくつれていってもらった記憶があります。でも、だれも芸術的な才能がなかったので、そちらの方面にはだれも進みませんでした。
東京で一人暮らしをするようになってからも、また結婚してからも、機会があると画廊を覗いたり、展覧会を見に行くのが好きでしたが、それは今も変わりません。
バルセロナでマンションを買ったころから、家具が一応そろうと、今度は絵やブロンズ像が欲しくなって、毎週末画廊やオークションハウスをめぐり、結構な数の絵やブロンズを買いました。
でも絵は、壁がないと飾れません。我が家はもう壁が残ってないので、絵を買うのはストップしました。
ブロンズをはじめとするフィギュア、アールヌーボー・アール・デコのものには特に惹かれますが、とにかくお高い。
グラシア大通り55番地のアンティーク街の、当時は一番大きなアンティークショップにたくさんそろっていて、10回払いでやっと買ったのが、大理石とカラミーナのアールヌーボーの夫人像。
これを買ったとき、
「後ろ姿がとても美しいので、鏡のある家具の上に置くといいですよ」
と言われ、そういった家具を探して買いました。
もちろん、フィギュアのほうがお高かったですよ。
こんな本を買って勉強もしました。
とにかく美術品は高かったから、そんなに簡単には買えませんでした。
先月、スペインのネットオークションで、閉店セールをやっているアンティークショップがありました。商品の中にブロンズがたくさんありましたが、それがびっくりするほどお安くなっていたのです。本当に、信じられないくらい…
日本からお金を取り寄せて、7体買いました。
こんなフィギュアたちです。
少女のバレリーナ
この2点はかのChiparusの作品
ねこと遊ぶ少女
笑い声が聞こえてくるようでしょう
ハトに語りかける夫人
不思議な静けさを感じます
たばこを吸っているんじゃなくて、呼子のようなものを吹いている男の子
すごく表情がいい
口笛を吹く少年
この少年は裸足なんです。
ポケットに手を突っ込んで、肩をそらして、精いっぱい背伸びをしている。ちょっと感動しました。
初めは美しいだけのフィギュアに目が行っていたのですが、今回のはその表現力の豊かさに参ってしまったようです。
これらのブロンズのフィギュアはそんなに大きなものではありませんが、その存在感はかなりのものです。でも、部屋の雰囲気を変えてくれることは請け負いますよ。
このフィギュアたちに興味のある方、こちらをクリックください。
~お知らせ~
卑猥な言葉を連ねて投稿してくる輩が後を絶たないので、申し訳ございませんが、しばらくの間、コメントは承認制にさせていただきます。
こういう日本人がいるというのは、悲しいことです…
↓クリックしていただけると励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。
by gyuopera
| 2010-06-12 08:14
| アンティーク antiguedad
|
Comments(12)
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grappa-tei at 2010-06-14 09:30
なるほど、それで合点が行きましたよ。自分の実家がレストランだなんて、何と羨ましい!そういう環境で育ったからこそ、gyuさんの食と芸術に対する感性が磨かれたんでしょうね。
0
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tripper_01 at 2010-06-14 11:15
こう云うコレクションは楽しいでしょうね!
機械的な形状のものなら彫ったり削ったり大の得意(だった)ですが、生物は全然ダメ。
オルセーで彫塑を観て、特に目玉の表現に恐れ入ったことがあります。
今はまるっきり、なーんにもダメです。
機械的な形状のものなら彫ったり削ったり大の得意(だった)ですが、生物は全然ダメ。
オルセーで彫塑を観て、特に目玉の表現に恐れ入ったことがあります。
今はまるっきり、なーんにもダメです。
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Manu
at 2010-06-14 12:58
x
なんて素敵なんでしょう!本当に表情豊かでのびやかで。
バレエの少女が特に好きです。
バレエの少女が特に好きです。
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gyuopera at 2010-06-14 20:16
♪ grappa-teiさん、おはようございます。
レストランと言うと聞こえがいいですが、半世紀も昔のことです。駅前食堂、と言ったほうがぴったりくるところでした。食に関しては、家が食堂ということで、それがトラウマか、家を出て7年間くらいはほとんどレストランには行きませんでしたよ。
スペインに来てからだって、長いことほとんどレストランにはいきませんでした。この年になって、今食べる楽しみを覚えちゃったわけです。
芸術関係は、音楽も美術も、母の影響で子供3人とも好きですね。
レストランと言うと聞こえがいいですが、半世紀も昔のことです。駅前食堂、と言ったほうがぴったりくるところでした。食に関しては、家が食堂ということで、それがトラウマか、家を出て7年間くらいはほとんどレストランには行きませんでしたよ。
スペインに来てからだって、長いことほとんどレストランにはいきませんでした。この年になって、今食べる楽しみを覚えちゃったわけです。
芸術関係は、音楽も美術も、母の影響で子供3人とも好きですね。
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gyuopera at 2010-06-14 20:28
♪ tripperさん、こんにちは。
彫ったり削ったりが大のお得意なんてすばらしいです!そちらの方面にまったく才能のないわたしにはうらやましい限りです。
生物は、やっぱり特別な才能が必要ですね。昔は絵よりも彫刻に感銘を受けたものです。一番好きな芸術家はミケランジェロでした。
若い時取った杵柄で、また始められたっていいじゃないですか?
彫ったり削ったりが大のお得意なんてすばらしいです!そちらの方面にまったく才能のないわたしにはうらやましい限りです。
生物は、やっぱり特別な才能が必要ですね。昔は絵よりも彫刻に感銘を受けたものです。一番好きな芸術家はミケランジェロでした。
若い時取った杵柄で、また始められたっていいじゃないですか?
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gyuopera at 2010-06-14 20:32
♪ Manuさん、こんにちは。
彫刻は立体的なので、その存在感は素晴らしいし、触ったりもできるから、絵よりも身近に感じ、親しみがわきますね。
アールデコ時代の彫刻はダンスをしている一瞬をとらえたものが多く、素晴らしい作品がたくさん残されています。
これはもっとあたらしいものと思いますが、素敵ですよね。
彫刻は立体的なので、その存在感は素晴らしいし、触ったりもできるから、絵よりも身近に感じ、親しみがわきますね。
アールデコ時代の彫刻はダンスをしている一瞬をとらえたものが多く、素晴らしい作品がたくさん残されています。
これはもっとあたらしいものと思いますが、素敵ですよね。
今日は~!
お母さまが芸術家だったのですね^^
gyuさんの良いものを見つける感性に納得です。
お母さま譲りだったのですね・・・羨ましいです。
アールヌボーの夫人像、柔らかい表情と肩の線が綺麗。
後ろ姿が見えないのが残念です・・・
ブロンズ像もステキですね♪
猫と女の子の無邪気な顔が良いわぁ。
お母さまが芸術家だったのですね^^
gyuさんの良いものを見つける感性に納得です。
お母さま譲りだったのですね・・・羨ましいです。
アールヌボーの夫人像、柔らかい表情と肩の線が綺麗。
後ろ姿が見えないのが残念です・・・
ブロンズ像もステキですね♪
猫と女の子の無邪気な顔が良いわぁ。
偶然ですが昨日琵琶湖畔の佐川美術館に行って佐藤忠良をみてきたので、彫刻の重さ強さに感服いたしました。彫刻のオーラはすごいものでロダン美術館のように大きくない昨日のももちろん碌山美術館でも対峙していると疲れます。わたしはここが好きで、遠来の客があるときはいつも案内しているのですが、うちに忠良があるわけではありません。1枚のポスターだけです。単純にお金の問題ですけど、若手の芸術家の作品なら応援の意味で買ってもいいかなあとは思います。
「芸術新潮」を置く駅前食堂はやっぱ普通じゃありません。なるほどと、納得できるエピソードです。
「芸術新潮」を置く駅前食堂はやっぱ普通じゃありません。なるほどと、納得できるエピソードです。
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gyuopera at 2010-06-15 03:31
♪ 加代子さん、こんばんは♪ 母は芸術が好きで、自分でも絵を描いたりしていましたが、あまり才能はなかったようです。お習字はかなりのところまで行きましたけれどね。あれもこれも好きで、傍から見ると、ちょっと支離滅裂だったかも・・・。でも母はそれはたくさんの画集を買ってもっていますので、私もいろいろもらってきました。こうして全部部ロンズのほか、顔や手足が ビスキュイや象牙のものがあって、それらはもっと高価ですがとても素敵です。載せませんでしたが、そんな像がまだ3体あります。
アールヌーボーの婦人像は一番先に買ったものだけに、飽きないですね。絵はなぜか飽きる物もあるので、時々掛け替えています。
アールヌーボーの婦人像は一番先に買ったものだけに、飽きないですね。絵はなぜか飽きる物もあるので、時々掛け替えています。
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gyuopera at 2010-06-15 03:46
♪ oteboxさん、こんばんは。
佐藤忠良は日本を代表する彫刻家だそうですね。さぞや素晴らしかったでしょう。碌山美術館は私も行ったことがあります。緑に囲まれたすてきなところですね。
ああいう大きな作品は、美術館や公共のスペースで見るわけで、ここに載せたものは、棚や机の上にちょっと置ける、20~30cmくらいの小型のものです。そういったものも、日本ではものすごくお高いけれど、これらはたまたまかなりお安く入手したのです。よろしければリンクをクリックしてみてください。
芸術新潮はずっと見ていたので、今でも好きですよ。
佐藤忠良は日本を代表する彫刻家だそうですね。さぞや素晴らしかったでしょう。碌山美術館は私も行ったことがあります。緑に囲まれたすてきなところですね。
ああいう大きな作品は、美術館や公共のスペースで見るわけで、ここに載せたものは、棚や机の上にちょっと置ける、20~30cmくらいの小型のものです。そういったものも、日本ではものすごくお高いけれど、これらはたまたまかなりお安く入手したのです。よろしければリンクをクリックしてみてください。
芸術新潮はずっと見ていたので、今でも好きですよ。
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Bon
at 2010-06-15 11:15
x
gyuさんおはようございます。
gyuさんのセンスは、やはりお母様のDNAしっかり受け着いていらっしゃるのですね。
ブロンズ像、どれもとっても表情が可愛くて思わず微笑んでしまいました。
だいぶ前ですが、人形作家の与勇輝さんの子供とおばあちゃんの人形を始めて見たのは10年以上前だったと思います。
待ち合わせの時間があったので、何気なく入ったデパートの展示場だったのですが、あの時と同じ感動を覚えました。
こういう表情を見ると、心を暖かくしてくれますね。
とても良いものを見せていただきました。
gyuさんのセンスは、やはりお母様のDNAしっかり受け着いていらっしゃるのですね。
ブロンズ像、どれもとっても表情が可愛くて思わず微笑んでしまいました。
だいぶ前ですが、人形作家の与勇輝さんの子供とおばあちゃんの人形を始めて見たのは10年以上前だったと思います。
待ち合わせの時間があったので、何気なく入ったデパートの展示場だったのですが、あの時と同じ感動を覚えました。
こういう表情を見ると、心を暖かくしてくれますね。
とても良いものを見せていただきました。
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gyuopera at 2010-06-15 17:11
♪ Bonさん、おはようございます。
彫刻は絵とはまた違った感動がありますね。
小さめのブロンズ像を置いていると、何となく心豊かな気がします。小さいころからいつも絵やブロンズが身近にあったので、今もそういったものをそばに置いておきたい。それも、いかにも目立つように、「ほら、これはあの作家のものですよ」というふうにじゃなくて、周りのものと違和感無く溶け込んでいるように。
私の友人の一人は、ブロンズをドアストッパーにしていますが、そういうの、いいなぁと思います(我が家にも一つあります)。
彫刻は絵とはまた違った感動がありますね。
小さめのブロンズ像を置いていると、何となく心豊かな気がします。小さいころからいつも絵やブロンズが身近にあったので、今もそういったものをそばに置いておきたい。それも、いかにも目立つように、「ほら、これはあの作家のものですよ」というふうにじゃなくて、周りのものと違和感無く溶け込んでいるように。
私の友人の一人は、ブロンズをドアストッパーにしていますが、そういうの、いいなぁと思います(我が家にも一つあります)。