カテゴリ:オペラ、コンサート musica( 209 )

アベ・プレヴォーの原作「マノン・レスコー」を基にしたオペラは、マスネの「マノン」、プッチーニの「マノン・レスコー」がありますが、今回はマスネ。 私はこちらのほうがプッチーニよりも好みです。

実はこのところ、マスネづいているんですよ。
ついこの間も、「マノンの肖像」「声」の短編オペラ2本立てを観たばかり。
このときは、パルコにご招待されて、ちょっと素敵でした。
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オーケストラがステージの後ろに来て、この狭いスペースがオケボックスの上にしつらえてありました。
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ステージ写真は、リセウ劇場のHPからお借りしています。
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オペラ「マノン」の大成功に気をよくしたマスネが、後年書いた短編オペラですが、年老いたデ・グリューが、彼の甥ジーンが身分の低いオーロールと結婚するのを反対し、ジーンはマノンの姪で容姿が似ている恋人に、叔父の生涯の恋人マノンの服を着せ、まんまとOKを取ってしまうと言うコミックオペラ。
このときのオーロールはIsabel Reyでしたが、ちょっといつもの調子が崩れていて、むしろジーン役のメゾJanja Breticが声が伸びてとても素敵でした。 でもストーリーも面白くもなく、不~ん、っていう感じでしたね。

一緒に組み合わされた「声」は、登場人物が一人という、プーランクのオペラ。
こちらのほうが断然すばらしかったです。

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「マノン」と同じ舞台ですが、後ろのついたてをすかしてオーケストラが見えますね。

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ストーリーはすべて電話での会話で進められます。去った恋人に別れを告げ、死を選ぶ孤独な女性を余すところなく歌い上げたAngeles Blancas, 胸が一杯になりました。



さて、昨夜の「マノン」。 タイトルロールはNatalie Dessay, デ・グリューはRolland Villazon, と聞けば、誰だってちょっと見たくなるでしょう。 演出はDavid McVicar。

私は写真を見たとき、衣装がまさに18世紀そのままで実によく再現されていて驚くと同時に、あまりクラッシックな演出って好きじゃないなぁと思っていたのですが、時代に忠実なのは衣装だけで、舞台は劇中劇のように、半円劇場になっていて、奥にだんだんになった観客席があるのです。

この演出、クラッシックっぽくてそうじゃない。
初めがちょっと面白かったんです。と言うのも、アナウンスで、

「オペラは後10分で始まります」

といっているのに、幕はすでに上がっていて、たくさんの衣装をつけた人たちがステージをうろうろ動き回っているんです。それもちゃんと意味ありげに、演技しながら。
観客はなんだかわからないまま、まだしゃべったり立ったり歩いたりしています。

「後3分で始まります」

のアナウンスの後は、舞台にいる人たちは、オーケストラに向かって拍手なんかしている。劇中劇っぽい雰囲気ですね。

これは終わった後カーテンコールのときに撮ったもの。席が三階の真正面、ステージの隅々までとてもよく見えましたが、オペラグラスがないと細部は見えませんね。

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こんな風に向こうに背の高い観客席が作ってあるので、後ろを向いて歌っても、ささやくような声まで実に良く聞こえるんです。 特にNatarile Dessayの表現力はすばらしくて、あの細く小さな体から、良くこんなパワーが、と感心してしまいます。テノールのVillazonは今世界的に大人気だそうですが、私の好みの声ではなく、とても繊細な2曲のアリアも、ナタリーに比べ、もう少しやさしさを出してほしいと思いましたし、実際ナタリーのほうがはるかにブラボーも多く、人気がありました。でも今回の公演中、ナタリーはのどを痛め、代理が歌った日もあったということですが、この日は本当にすばらしかったです。



実は、初めのマノンの登場は、ちょっとがっかり・・・というのも、ウィーンのポネル監督のグルベローヴァのういういしい映像が頭にありましたからね。 

とにかく衣装は実に当時のものを忠実に再現していて、ゴヤの絵を見ているようでした。
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このダンスもとっても面白かったですね。
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この場面は、よく見ると男女があちらこちらで乱れ乱れているのが見え、オペラグラスを向けるのも阻まれました。舞台の右では、女性がオマルに座り込んで用を足し、終わった後、次女がそれを片付けながらそのあたりにジャっとこぼすなんて場面も。ここでマノンは逮捕されてしまいます。
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そうそう、デ・グリューの父親役のSamuel Rameyは、やたらビブラートをかけるので、とても聞きにくかったですね。

舞台には豪華なドレスをつけたマネキンがおいてありましたが、これはいつも贅沢なものに憧れ人が与えてくれるのを待っているマノンを象徴していたんですね。

ファーム・ファタル(男を破滅させる女)として文学上初めて出てきたとされているマノン、男性には魅力的なんでしょうかねぇ・・・ 美貌だけで参ってしまう殿方が、(案外まじめな人ほど)のぼせちゃうのは女性の私には理解できません・・・・

ところで、今回はオリジナルバーションで、会話などがたくさん入っていましたから、8時半始まりで、2回の休憩を入れ、終わったのは12時20分くらい。長いオペラでした。
この時間はもう地下鉄はありませんから、仕方なくカタルニァ広場のタクシー乗り場まで歩きました。そこにはすでにタクシー待ちの長い列が! ところがタクシーはちっとも来ません。 結局そこでほとんど1時間近く待ってやっと乗れましたが、こんなことは初めて。運転手の人が言うのに、フェリアがあって、タクシーはみんなそっちに行ってしまい、今やっと帰ってきたところ、とのこと。家に帰ったら1時半、家族がすっかり心配していました。

今度の日曜日は、またマスネの「タイス」(コンサートバーション)に行くんですよ。

リセウ劇場にいらしたら、そこのバールもぜひ!

ここは鏡の間のバール
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地下のバールはとても広い
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リセウは見学だけもOKですから、機会があったらぜひ!
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by gyuopera | 2007-07-04 20:51 | オペラ、コンサート musica | Comments(11)

Vallvidreraでのコンサート

私の属している室内楽オーケストラは、普段Vallvidreraのカルチャーセンター、Centro Civicの部屋を毎週借りてリハーサルしていますが、無料で使わせてもらう代わりに、年に2回、コンサートをやること、と言う条件がついています。

それで、先日最後のコンサートをやりました。
場所はいつもなら屋内のホールなのに、夏なので、屋外、と言うことで、私たちはみんな、ブルーな気持ちになっていました。 だって、音響は悪いし、多分周りで子供たちが騒いでいて、コンサートなんて雰囲気じゃないからです。

それでもやるしかないですよね。

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後ろに壁があったので、まあ一応少しはましでしたが、すぐ横にバールがあって、そこにいる人たちは音楽になんか興味がありませんからうるさいこと!
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その日はほかにもモダン音楽や民謡のグループコ^ラスなどの演奏がありましたから、プログラムも大幅カット! なんとなく、やった!と言う満足感には至りませんでした。

コンサートの後は、例によってダンスが始まりました。
日が暮れると、急に気温が下がる山の中です。立ってみていると、寒くなってきました。それで、ステップもぜんぜんわからないまま、一緒に輪に入って踊りました。

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生演奏で踊るっていいですね。
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体を動かし、なんだかわからないまま笑いながら踊っていたら、すっかり暖かくなりました。
こういうときは誰も上手に踊ろうなんて考えなくていいんですね。楽しむためのものですからね。
踊ったなんて初めてのことでした。

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ところで、実は今朝、私日本の文化放送から出演を頼まれたんです。
日本時間の朝11時20分から、「週末海外小旅行」という番組で、海外在住の日本人と国際電話をつなぎ、聴衆にちょっとした海外旅行気分を味わってもらおうと言うコーナーです。

朝11時20分と言ったら、こちらでは朝4時20分。
寝てしまったら本当にぐっすり寝込むので、起きれなければ困ると思い、昨夜は寝ないで、ずっとアイロンがけをしたり、つくろい物をしたりして起きていました。

話す内容は、あらかじめ1時間ほどのインタビューを受け、放送作家の方が台本を書いて送ってくれました。それに沿って話すので、楽でしたけれど、もちろん台本にないこともいろいろありました。 

その後、もちろん寝ましたが、朝は蚤の市に行ったり、スーパーに買出しに行ったりして、遅いお昼(4時くらい)のあと、また爆睡・・・・!(笑)。

ひょっとして、どなたかお聞きになっていた方いらっしゃいました?

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by gyuopera | 2007-07-01 04:19 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)
バルセロナで毎年、フランシスコ・ビーニャス国際歌唱コンクールが催されますが、このことは、以前レポートしています。

そのフランシスコ・ビーニャスは、19世紀末から20世紀初めに活躍した伝説的なテノールで、特に彼の歌うローエングリンは大変な評判をとり、3年間に120回も歌ったそうです。

そのビーニャスの家が、今回のコンサート会場でした。
その屋敷はバルビドレラの町の、ケーブルカーの駅の横にあり、今はマリアと言う女性の所有となっています。彼女はその家で、生け花や瞑想の指導をしています。以前は借りていたのですが、庭や建物が荒れてゆくのを見かねて、購入に踏み切ったのだそうです。

その家の素敵なのは、お屋敷そのものもですが、坂になった広い庭。音響を良く考えられて作られていて、ここでコンサートをやったのです。

まず、玄関を入ると、突き当たりに丸いサロンがあります。
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窓からは広い庭が見渡せます。
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庭に出る短い廊下にもこんな飾りつけ
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クラッシックなバスルームにも、ろうそくとバラの花びらを散らして
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トイレの中にまで
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庭に下りてゆく階段
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家を庭のほうから見ると
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キャンドルスタンドの脇に植えたつたが絡み付いて、とても素敵です。

先ほどの丸いサロンの下
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ビーニャスのローエングリンの衣装をつけた姿
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素敵なバルコニーもあります。
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広い庭中、ろうそくと小さなたいまつの火がともされてとてもいい雰囲気
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冷たい飲み物は、バラの花びらとミントがたくさん入ったお茶!
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庭には素敵なコーナーがたくさんあります。
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だんだん暗くなってきました。これで9時30分くらい。人が集まってきます。
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ピアノと歌を交互に、庭の中の場所を移動してのコンサート。面白い試みです。
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中々の熱演でした。
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歌自体は・・・ちょっといまひとつだったけれど、庭を好きなように歩いたり座ったり、自由な雰囲気で、庭と音楽を両方楽しむと言った趣向で、中々面白いものでした。

それにしても、こんなすごい邸宅が一女性の家なんて、すごいですね。

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by gyuopera | 2007-06-29 05:43 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)

鐘のコンサート

バルセロナ市庁舎と向かい合って建つカタルニァ州政府の建物Palau de la Generalitatで、毎月一回、Carilloのコンサートがあります。

Carilloって、なんだと思いますか。

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それは、こんな風に、教会にあるようなブロンズの鐘が、大小49こ付いた楽器の一つで、
普通はたいした曲を弾くわけではありませんが、カタルニァでたった一人、ここのお抱えのCarillo奏者がいて、その人が月一でコンサートを行い、市民の誰でもが無料で聞くことができるのです。


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大体がこの州政府の建物は、年に一度か2度しか市民に開放されませんから、なかなか中を見ることができません。私も一度何かのツアーで入っただけでした。

行ってみると、もう列ができていました。
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カッと日が照り付けて暑い
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それでもやっと入場が始まりました。
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会場は建物の二階にあるオレンジのパティオ。
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小さいけれど、サン・ジョルディの像があります。
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この建物の上についているガルゴラが面白いんです。
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直射日光ががんがん当たってすごい暑さ。
新聞を帽子の形に折ってかぶっている人も。
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演奏は、初めにヘンデルのメサイアから2曲、続いてブラームス、ドボルザークの作品から、そしていろいろなオペラからアリアを演奏。
聞きなれなかったので、初めちょっと変な感じがしましたが、なかなか面白かったです。
約一時間に渡って演奏されました。
鐘も低い音はゴーンとなるので、残響音の長さが違い、難しいと思います。ピアノを弾くようには行かないでしょうね。
終わって降りてきた奏者は、まだ若い女性でした。

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このパティオに入る前に、ゴシックのパティオがあり、みんなそのあたりで写真を撮りながらぞろぞろ出てゆきました。
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細工が見事です。
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ここにもサン・ジョルディ
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天井もすごいです
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立派な階段が下のパティオに通じています
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この扉の中に
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素敵なシャンデリアと天井画が見えました。どこでも入っていってしまう人もいて、係りの人が注意していました。
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階段のシャンデリアが豪華でした
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全部白熱灯が付いています。
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壁にもサン・ジョルディの絵が
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こちらの部屋も素敵そう
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また見上げて、う~ん、きれい
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ということで、官邸を出ました。
建物の中にパトカーがいる・・・
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ここでの演奏会は毎月第一日曜日の12時から。誰でも無料で入ることができます。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
http://www.gencat.cat/presidencia/carillo/

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by gyuopera | 2007-05-07 00:48 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)
昨夜はリセウ劇場で、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」を見ました。

夜8時半始まりなのですが、日が長くなってまだかなり明るかったので、一時間間違えたかと思ったほどでした。

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今回も3階ながら、真正面で舞台が大変良く見える席。こういう席は、発売日に並ばないとなかなか取れません。
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一番上の、真ん中ではない席は立ち見席で、10ユーロ以下というお値段。
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さて、オペラの始まりです。いつもながら、撮影は禁止なので、リセウのHPから写真をお借りしています。

序曲は、特に出だしの部分が好きです。ワーグナーのオペラのどの序曲も大好きですが、このオランダ人も、本当に久しぶりに聞きましたが、なかなかいい。

幕が開くと、船員たちが並んで綱を引いていて、上部に、映画のように舟の甲板が見えます。
この舟は激しい嵐で入り江に避難して停泊しているところで、向こうに静かな夜の海が見えます。
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船長のダーラント(これがなかなかの声)が、舵手に見張りを任せておくに引っ込むと、若い舵手は故郷と恋人のことを思う歌を歌います。これはかなり期待していたのだけれど、声は良く伸びているものの、今ひとつ。
やがて舵手は眠りこけてしまいますが、巨大な、まるでタンカーのような船が、向こう側一杯に横付けになります。
この船は、天罰により、永遠に海をさまよわなければならないオランダ人のもので、7年に一度しか上陸が許されず、その時、永遠の愛をささげる乙女を得れば救われるが、さもなければ死ぬこともできず、再び海をさすらわなければならないのです。
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オランダ人を歌ったトーマス・トマソンは、ちょっと迫力不足の感がなくもない。
ダーラントの船に上陸すると、宝物をダーランとに与えて、自分は故郷を、暖かい家庭を探している、と言います。
ダーラトはその宝石類にすっかり目がくらみ、自分にはとても忠実な娘がいる、と、オランダ人と結婚させることを承諾。嵐も静まったので、故郷に向かって2隻とも出版します。


第二幕はダーラントの戻ってくる港のそばにある作業場。
女性たちがいとつむぎの歌を歌っていますが、ステージでは海で取れたものを処理する作業をやるような服装をしています。
ここにも、奥の大窓に静かな海が見えます。

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ダーラントの娘ゼンタは、さまよえるオランダ人の伝説を信じ、彼を救うのは自分だと信じているのです。猟師のエリックが、一生懸命口説くのにも耳を貸しません。ゼンタを歌ったスーザン・アンソニーの声、あまり好きじゃなかったな。

やがてダーラントがオランダ人を連れてやってきて、ゼンタに紹介します。 ダーラントが気を利かせてその場を立ち去ると、オランダ人はおずおずと話し始め、
ゼンタは死ぬまで忠実であることを誓います。
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船員たちの合唱。バックに荒れる海が見えます。
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突然の嵐の到来に、みんなはびっくり。このとき波も真っ赤に。
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みんながいなくなったあと、ゼンタに言い寄るエリック(しつこい男!)、それを見て、オランダ人は絶望し、自分の船荷のって出帆してしまいます。

ゼンタは、自分がオランダ人に死ぬまで忠実であることを言い放ち、海に身を投げます。

本当なら、その後オランダ人の船は沈み、ゼンタとオランダ人は抱き合って昇天するはずなのですが・・・ そのところはなんだかあいまいでステージでは何も見えませんでした。

これはカーテンコール
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演出は、来期バイロイトでマイスタージンガーを手がけることになっているアレックス・リゴラなのですが、この演出、どうもあまり好きではありませんでした。どの幕にも風に揺らぐ波が見える海が取り入れられていたのは良いと思いましたが、そのほかどうも訴えるものが感じられませんでした。

指揮はセバスティアン・ヴァイグル、迫力ある演奏でとてもよかったと思います。

ところで、日本にいる間、藤原歌劇団の「ラ・ボエーム」をテレビで見ました。
私は全部日本人の歌手によるオペラを始めてみたのですが、なんとなく、オペラという気がしなかったのです。演技もどうもしっくり行かないようだし、オペラというより歌の劇、といった感じがしました。ステージもまとまりすぎている感がありました。 たとえば、歌舞伎を全部外人がやったら違和感があるでしょう、そんな感じでした。

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by gyuopera | 2007-04-18 05:59 | オペラ、コンサート musica | Comments(6)
2月24日はとても面白いオペラを体験しました。
今回の写真はいずれもHPからです。

見に行きました、というのとちょっと違うのは、オペラをやったところが、Naumonという船の船倉。

Naumonは1964年に作られたノルウェーの砕氷船で、廃棄処分になるところをグループFora de Bausが引き取り、動くカルチャーセンターとして2001年から活躍しています。
サーカスやダンス、講演会、などさまざまなイベントがあり、オペラは3回目。

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バルセロナ港のIMAXという映画館のすぐ裏に停泊しているNaumon号,そんなに大きな船ではありません。 こんなところでオペラができるのかしら?って心配になってしまいます。すでに長い列ができています。

まず、インターネットで予約した切符を受け取るだけでたっぷり30分並びました。予定の500枚の切符が売り切れると、船は扉を閉めてしまいました。

「おいおい、このまま出航して行っちゃうんじゃないの?」
「500人の馬鹿を見るのが今回の最大のショーかも」

それでも30分遅れて、入場が始まりました。
桟橋をわたると、水面下2mの船倉に下ります。照明はろうそくと、いくつかのライトがついていますが、紙で覆って光を和らげていて、下は足元も見えないほど暗いのです。

船倉は長さ約60m、幅12m、高さは7m、真ん中に1mくらいの高さの長い台があり、そのほかは何もありません。 どうやってオペラを上演???
一番奥に一応オーケストラボックス。

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椅子などありませんから、500人の観客たちはもちろん好き勝手なところに立っているのです。今日のモンテヴェルディのバロックオペラ「オルフェオ」が作曲された400年前は、劇場以外で上演されるときは、こうしてみんな立って観劇したのだそうです。

オーケストラが演奏を始めます。ほぼぎっしり観客が立ち並ぶ中、突然私のすぐ前から、青いドレスを着た女性がクレーンで吊り上げられて空中に浮かぶと、歌い始めました。

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(すいません、こんな画像しか見つかりませんでした)
吊り上げられながら歌うのは大変でしょうね。彼女はくるくる回ったり体を上下に振ったりして歌っていました。歌手も大変ですねぇ。 きれいなソプラノです。

さて、第一幕は(って、場面が変わるわけではないのですが)オルフェオとエウリディーチェの結婚式。羊飼いたちの楽しい歌が続きます。コーラスの人たちは、はじめオーケストラの上で歌っていましたが、ろうそくを持って下に下りてくると、観客の間を通り抜けてオルフェオたちのほうに行きます。オルフェオも観客を含む周りの人たちにワインを振舞いながら、ギタリストと肩を組んでオーケストラボックスまで行ったり。観客の中を歌手やコーラスの人たちがうごきまわるので、観客はそのたび戸惑いながらも動きながら見ると言うわけ。

突然曲が暗くなり、黒衣の先ほどのソプラノが、エウリディーチェが毒蛇にかまれて死んでしまったことを告げます。エウリディーチェの棺が観客の中をぐるりと一巡り。

オルフェオは黄泉の国にエウリディーチェを探しに降りてゆきます。
船倉の横の小さな丸窓から、裸の人が2人入っていって、ガラス張りの窓の向こうの狭い所に入り込み、水の中でうごめいているのは、死者の国をあらわしているらしい。

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暖かいと言ったって2月です。水の中での演技は寒いことでしょう。
出るときもまたその丸い穴から出てはしごを上ってゆきましたが、あの人たち何か着ていたかな?

オルフェオは、三途の川の船頭に、悲しみを切々と訴え、船頭は感動してオルフェオが黄泉の国に行くのを許してあげるのです。

さて、黄泉の国では、全身に泥をぬった死人たちが、たいまつを持って、時々ぼお~っと火を吐きながら観客の中を歩き回ります。すごい火で、熱気がこちらまでわ~っと来ます。みんなは慌てふためいてどどっと周りを開けます。ガソリンくさいにおいと煙が上がります。

「信じられん」

と叫んだ人がいました。

黄泉の国の王は、大きな水の入ったコップのようなものにどっぷり漬かって、人々に担がれて観衆の中をめぐりますが、彼もそんな格好で歌わなければならないのですから大変です。

黄泉の国の王様から、黄泉の国を出る最後まで後ろを振り返らないと約束して、エウリディーチェと歩き始めたオルフェオ、彼女の気配がないので、とうとう最後に振り返ってしまいます。
エウリディーチェは黄泉の国に連れ戻され、悲嘆にくれるオルフェオ。

上からアポロ(太陽の神、先ほどの黄泉の国の王を歌った歌手です)が、天井から、大きなボールのようなろうそくに火をともしたものを抱いて(太陽をあらわしているようです)降りてきて、オルフェオと一緒に天に上がって星になれ、というと、オルフェオと一緒にまた上がってゆきます。
すぐ近くでしたから、アポロンの胸についていた大きなクレーンの鍵をひとつはずして、オルフェオにつけるのがよく見えました。
みんなクレーンで宙吊りで歌ったわけですね。

歌手は3人で、同じ歌手が何役もこなしていました。特にバスはいい声でしたね。

それにしても、こんな空間でなんて生々しい演出。
この演出を手がけたCarlus Padrissaという人は、最近パリ・ガルニエ座でオペラを演出したこともある人だそうです。

とても面白いオペラ体験でした。

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by gyuopera | 2007-02-26 03:08 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)
2月5日の夜、Valencia通りの Casa Elisaldeで、國松竜次さんのギターリサイタルがありました。

國松さんは、昨年11月、第3回バルセロナ国際ギターコンクール“ミゲル・リョベート”で見事優勝、すでにレコーディング、ヨーロッパ各地での音楽フェスティバル出演が決まって、今後の活躍が期待される若きギタリストです。

プログラムは

無伴奏バイオリンソナタ第1番BWV1001(J・S・バッハ)
レインニング・アット・グレイ(國松竜次)
2つの日本の歌
オブリヴィオン(A・ピアソラ)

スペイン・セレナーデ(J・マラッツ)
ダンサ・モーラ、グランドワルツ(F・タレガ)
ドビュッシー讃歌(M・de・ファリャ)
セビリャーナ(J・トゥリーナ)
レスプエスタ、エル・メストレ、スケルツォ・ワルツ(M・リョベート)

会場の扉のにはすでに長い列ができていました。それでも前から2列目の席に座れました。
隣の年配のセニョーラが、

「あなたは日本人?まだ若くていいわね」
と言うので、
「いや、もう若いとは言い難い年代なんですが」
と答えると、
「70歳までは若いわよ。私はもう77歳。やっぱりね、今日はよくても明日のことはわからない。でも、生演奏が大好き!だからコンサートがあるたび行くんですよ。」

このカサ・エリサルデでも2ヶ月に一度、こうして無料のコンサートがあるとか。そのほかにも、カタルニァ広場のCaja Madridで毎月一度コンサートがあり、2ユーロで聞けるとか。さらに、コンセルバトリオ(音楽学校)でも毎週木曜日に無料コンサートをやっている、といろいろ情報をくれます。

「先週の土曜日なんか、7時から近くのFNACで3台のエレキギターとドラムのコンサートがあったのよ。面白かった。それで8時半からCaja Madridのバロック音楽のコンサートにも行ってね、そのコントラストが面白かったですよ」

このセニョーラ、若い!高いチケット代を払って、大きなコンサートホールに行くだけが音楽を楽めるわけじゃないんですね。

前に座っていた坊主頭のセニョールは、片言の日本語を話し、

「オレは日本に一年住んでいたんだよ。三重のスペイン村でピエロをやっていたよ。 日本はこことぜんぜん違うね。緑が一杯あって、どこもきちんとしてて。人は思っていることを口に出していわないから、何を考えているんだかわからないところがあるね」

こういう、知らない人たちとの会話もなかなか楽しいものです。

國松さんがステージに出てくると、横のセニョーラが、
「若いねぇ! それになんてハンサム。日本人じゃないみたいだね」

さて、リサイタルのお話からずれて申し訳ありません!

はじめのバッハ、こういう演奏をCDで聞いていてもあまり面白くないのですが、生は違いますね! すばらしかったです。
続いて國松さんご自身の作曲された曲。いろいろなテクニックを駆使して不思議な世界を作り上げています。ふー。

続いて日本の歌、「かえりゃんせz(あの町この町、かな?)」と「あかとんぼ」を、國松さんがギター用にアレンジしたもの。
日本の歌はいい曲がたくさんありますね。

前半最後のピアソラ。たくさんタンゴを作曲しているけれど、器楽の曲もいいものが多いですね。素敵な演奏でした。

後半はスペインものがずらり。 私はあまりギター曲のことはわからないのですが、とても素敵で興奮しました。

写真は調音しているときで、もちろん演奏しているときではありません。

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國松さんの演奏は、繊細で、テクニックに優れ、私のギター音楽のイメージを覆し、そこに新しい空間を作り上げているようでした。

アンコールに、これまたご自身の作曲した「京都」と言う、琴の音をまねたような、とても風情のある曲をご披露してくれました。

本当にいいリサイタルでした。

3日後には3年のスペイン留学を終えて日本に帰国なさる國松さん、今後の活躍に期待したいものです。

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by gyuopera | 2007-02-06 17:38 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)

リセウ劇場のDon Carlos

昨夜はリセウ劇場にオペラ ドン・カルロス(ヴェルディ)を見に行きました。

今回の演出は、いつもユニークな演出で有名なPeter Konwitschny。 
彼のローエングリンの舞台を学校にしてしまった演出は、リセウでも大変な論議を巻き起こしましたが、私はほかにミュンヘンでトリスタンとイゾルデも見ていて、はじめのうちは、ちょっと・・・と思っていても、見終わった後、いつも確かな手ごたえがあり、非常によく考えられた演出であることに気づくのです。

今回のドン・カルロスは、評にも、すでに見た人からも、またリセウのヴァイオリニスト、ロマノフ氏からも、ちょっと心の準備をしていったほうがいいと聞いていました。
オペラは、普段カットされることが多い第一幕、フォンテーヌブローの森の中のシーンが入るので、5時間の長さでした。
私としては、かなり面白いと思ったので、詳しく書こうと思います。

午後8時開演、今回も舞台が真正面に見えるいい席!
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舞台写真は、Liceu劇場のHPからお借りしています。撮影禁止ですからね。

第一幕、フランス王女エリザベートとスペイン王子カルロスは、国交安泰のため婚約していたのですが、フォンテンブローの森で初めて偶然に出会い、お互いに恋に陥ります。ところがそこにスペイン王フェリッペ2世の妃になってほしいとの使者が到着、泣く泣く受けざるを得なかったエリザベートとカルロスは、絶望の別れをします。

フォンテーヌブローの森のシーンですが、舞台は真っ白で、何もありません。民衆がそこら中に寝転んでいるだけ。
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使者が来て、スペイン王フェリペ2世との結婚を迫られ、民衆はエリザベートに承諾を懇願、カルロスも絶望的。
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スペインの衣装に着替えさせられたエリザベートは、怒って服を脱ぎ捨ててカルロスのもとに走りますが、連れ戻されてしまいます。
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一人残されたカルロスは、絶望して手前の台に伏せていますが、そのまま舞台は何もない真っ白なスペインのユステ僧院に移動。
僧衣をまとったカルロス5世(フェリッペ2世の父親、カルロスの祖父)が、舞台の手前に木を植えます。この人物は、フェリペ二世の時代には亡くなっているわけですから、亡霊と言うことになりますが、麦藁帽をかぶって、なんとなくしぐさがユーモラス。本来なら、亡霊の声だけ聞こえるはずで、ちょっとぞっとするシーンなのですが。

カルロスの親友ロドリーゴが、不可能の恋に苦しむカルロスの悩みを知って、フランドル地方の人々を救うのを手伝うよう頼みます。
ロドリーゴは普通、とてもカッコいい役なのですが、この演出では眼鏡をけていて、かなりユーモラス。私はこの歌手、カルロス・アルバレスの歌うロドリーゴをウィーンで聴いています。もちろんウィーンではこんなコミックな振り付けではありませんでしたが、歌はいずれも、すばらしかったです。
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次のシーンはスペイン宮廷。そこにはエボリ公という若き姫君が同居していて、カルロスに恋しているのですが、カルロスが王妃エリザベートに恋しているのを知り、激怒。
このシーン、はじめに舞台左右の扉が5枚ずつ開き、5色の光が流れ出てとてもきれい。
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復習を誓うエボリをロドリーゴが説得しますが、効果なしと見てナイフを出します。ここでロドリーゴはエボリに眼鏡を取られ、そのあたりを這い回って眼鏡を探す、と言うシーンがあります。

これはフランスで上演されたフランス語版なので、バレーのシーンが入るのですが、バレーはなく、エボリ公の夢の中の出来事が繰り広げられます。
周りの白い壁が上に持ち上がって消えると、奥から、部屋がすーっと出てきます。こういうところ、オペラハウスってすごいなぁと思います。奥から、舞台と同じ大きさの別の舞台が出てくるんですものね。つまり舞台2つ分の奥行きがあるわけです。
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時代は一気に現代になり、小市民の普通の家庭。エボリ公とカルロスは夫婦で、エボリは出産を待つ体。今日は両親のフェリペとエリザベートを招待しているのです。

エボリは鶏の丸焼きを用意して天火に入れ、そこにサラリーマンのカルロスが帰宅。中むつまじい様子が描かれ、二人でダンスをしている間に鶏がこげて煙がもうもう。真っ黒になった鶏を見ているところに招待客が到着。あわててカルロスは電話で「テレピッツァ」と電話でピザを頼みます。

すぐにロドリーゴ扮するピッツァ配達人が来て、4人で食事が始まります。フェリペ王夫妻もとても中がよさそう。クマのぬいぐるみとベビーベッドをプレゼントします。シャンパンを開けてそれをかけあって大騒ぎ。
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なんとも楽しく幸せな風景・・・・ というのがエボリ公の夢の中のお話です。

そこで第一回の休憩。25分と言うことなのですが、15分くらいすると、アナウンスが流れ、
「後10分で、スペイン国王ならびに王妃が到着されます。そして空前のスペクタクルが開催されます」
と繰り返し放送。でも何も起こりません。ほとんどの人はホールの外に出ています。やがて、電気がついたまま、オーケストラが始まり、ステージにはスクリーンが現れ、処刑者たちがつながれて劇場の入り口から入ってくるのが映し出され、客席を通りステージに上がり、また降りたりを繰り返し、やがて現代の服を着たフェリペ2世とエリザベートが劇場に到着、その様子が前のスクリーンに映し出されます。カメラマンが盛んにフラッシュをたきながら写真を撮っています。そして客席の真ん中の通路にはいってくると、そこで歌い始めます。その間、客席の電気はついたまま。
観客もびっくりして、ぞろぞろ自分の席に着き始めます。
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ここでパーティが行われ、みんなで乾杯。

カルロスが、フランドルを救ってほしいと王に陳情、あえなく捕らえられ、処刑は実行されますが、そこで天の歌声がひびくところを、マリリン・モンローに扮した歌手が登場、喝采を浴びながら歌います。これはあまり好きじゃなかったですね。
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この陳情の場面で、カルロスはフランドルの悲惨な様子の写真のビラをまくのですが、客席の一番上からも、客席に向かって大量にビラがまかれます。その一枚が、私のすぐ上のランプに引っかかりました。
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このとき、カルロスはグラスを床にたたきつけるのですが、こういうグラスは砂糖でできているんですって。本物だったら危ないでしょ。よく、グラスを握りつぶしたりするシーンもありますね。

ここで第二回目の休憩。第二幕はとても短いのでびっくり。今回は15分だけ。本来ならもっと長いのですが、リセウ劇場では、5時間を越えるオペラは、出演者に余分に手当てを出さないといけないことになっているので、5時間よりちょっと短くなるよう休憩時間を短くしたのだそうです。これはロマノフ氏のお話。

休憩の間に舞台の準備をしていますが、手前の台に、何かを置いています。双眼鏡でためつすがめつ見たのですが、どう見ても、女性のpanty。???
前に座っていたセニョーラが、sudokuをやっていました(笑)。
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第三幕は、フェリペ二世が、エリザベートは私を愛してくれたことがない、と切々と訴えるアリアなのですが、幕が開くと、なんとそこら中に衣類が脱ぎ散らされ、ベッドを思わせる大きなクッションにエボリとフェリペ二世が寝ているのです。
もちろんアリアはすばらしかったのですが、目覚めたエボリが服を身につけ、そこに大僧正がやってきます。
フェリペ二世は、台の上においてあったpantyをこっそり自分のポケットにしまいこむシーンがあって、は~ん、そのためにあそこにおいてあったのね。

エリザベートが、自分の宝石箱を盗まれたと訴えに来ますが、その箱はエボリがフェリペ二世のもとへ持ってきたもの。箱に入っているカルロスの肖像画を見せて、二人が怪しい関係であることを匂わせ、ついでに彼を誘惑してしまったわけです。問い詰められたエリザベートはあくまで潔白を主張。エボリは自分の犯した罪に絶えられず王妃に告白。夜が明ける前に城を出なくてはいけなくなりますが、捕らえられたカルロスを救おうとします。そのとき歌うアリアで、
「この自分の美しさがおぞましい」を繰り返します。

場面は変わってカルロスの入っている牢獄。相変わらず真っ白で何もありません。
そこにロドリーゴが来て、喜んで友カルロスのために死のう、と歌い、本当に撃たれて死んでしまうのですが、銃声が聞こえたとき、カルロスが先に倒れるので、観客はカルロスが撃たれたように思ってしまいます。死ぬ前にいつも朗々と歌われるロドリーゴのアリア、最後にアーと言いながらカルロスの上に重なって倒れます。本当は感動的なシーンのはずなんですが、なんとなくコミカル。そこにフェリペ王が来て、カルロスと和解しようとします。カルロスは上に乗っていたロドリーゴの体を跳ねのけて、「息子だとは思ってくれるな」と言いますが、何とか折り合いがついた模様。
そこに民衆の反乱が起こりますが、大僧正が一喝して収まり、その場でエボリが殺されます。
これは筋書きに入っていないとおもったけど。

最終幕はユステの僧院。カルロス五世が葬られているところです。エリザベートがアリアを歌っているところに再び僧衣のカルロス五世の亡霊が現れます(!)。 
そこにカルロスが来て、最後の別れをしているところに父親のフェリペ二世が兵とともに登場。二人がやっぱり愛し合っていたと怒りを表します。兵は背広姿の人たちで、みんなカフスをはずして腕まくりをして詰め寄ります。
そこに墓場の口が開き(正面億の壁が開く)、僧衣のカルロス五世が出てくると、息子のフェリペ2世をしかりつけ、孫のカルロスとエリザベスの手を引いてまた墓場に戻るのです。
墓場の扉がぴったり閉まると真っ暗になって、終わります。

ブーイングも結構ありましたが、喝采のほうが大きかったと思います。
Konwitschnyの演出は、シリアスなストーリーのオペラにいつも娯楽の要素をたっぷり含ませていますが、よく計算され考えられていると思います。

ちょっと残念なのはカルロス役のFranco Farina。 美声なのですが、高音の音程が不安定です。そのほかはみんなよかったと思います。

オペラが終わったのは夜中の1時。金曜日なので、地下鉄が2時まで走っています。かなりの人が地下鉄を利用していました。私ももちろんその一人。行きも、リセウに行く人と何人もいっしょになりました。
5時間のオペラ、やっぱりかなり長くて足がだるくなりましたが、結構楽しめました。

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by gyuopera | 2007-02-04 08:16 | オペラ、コンサート musica | Comments(10)
今年も、第44回フランシスコ・ビーニャス国際歌唱コンクールが催されました。
世界50カ国から420人の参加者があり、韓国人の参加者はなんと110人!
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1月20日に予選に残った19人のコンサートがあり、21日に受賞者のコンサートがそれぞれリセウ劇場で行われました。

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19人の内訳は、 韓国6人、スペイン3人、ドイツ2人、そのほかロシア各国とコロンビア、ポルトガルから一人ずつ。 残念ながら日本人は一人も最終選考に残りませんでした。

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一人2曲ずつ歌うのですが、去年にもましてさらにレベルが高く、甲乙付けがたいほど。みなさん上がりもせず、すばらしい歌唱を聞かせてくれました。
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自分も審査員になったつもりで、点数を付けてみました。
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22日はコンサートの間の休憩のあとに、授賞式がありました。審査員の方々は、アメリカ・ヨーロッパ各国からの参加です。
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第一位を獲得したスペインのソプラノ、Beatriz Dias Gonzalez嬢。スペイン人が賞を獲得したのは何年振りでしょう。 彼女は6つの賞と、賞金12000ユーロをあわせて獲得、25歳のアストゥリアス出身です。 マリア・バーヨを思わせる、軽やかで澄み切った声でした。そして完璧な正確さ。受賞文句なし、です。
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第二位にアメリカのソプラノとスペインのテノールが受賞しましたが、私はこの二人は声に個性が感じられなくて、あまり好きでは無かったですね。

今朝の新聞で、ベアトリスさんのインタビューがありましたが、やっぱり、イタリアで ミレッラ・フレーニに師事したそうです。 彼女のこれからの活躍が楽しみです。

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by gyuopera | 2007-01-22 22:57 | オペラ、コンサート musica | Comments(12)

ニューイヤーコンサート

まだ新しい年が来てもいないのに、ニューイヤーコンサートはおかしいのですが、一応そういうタイトルで、ウィーンからのオーケストラで、ヨハン・シュトラウスのコンサートがあったので行ってきました。

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ヨハン・シュトラウスのコンサートは生で聞くのは初めてだったのです。こういう曲って、一人で行くのはちょっとさびしい気がするから・・・ 今回は友人と2人で行きました。久しぶりに、かなりフォーマルに装って、ちょっと宝石類をつけたりして・・・場所がリセウ劇場ですからね。

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こういうコンサートでも、普段着のままの人がちらほらなのはちょっと興ざめ。

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曲を聴くだけだから、と3階の席にしたのですが、一番前。友人は高所恐怖症だったので、私の腕にしっかりしがみつき、汗をかいているんです。 一曲目は 「こうもり」の序曲でとっても楽しいのに・・・ 曲が終わると、彼女、後ろの壁際の空いた席に移動して、後はよかったようです。
3階の一番前というと、かなり高さがありますからね。

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でも、はっきり言って、たいした演奏ではありませんでした。指揮者はロシア人のかなりのご老体(失礼)で、あまり魅力的な指揮ぶりではありませんでしたし、たまにホルンが音をはずしたり・・・ソプラノもぜんぜん声が伸びないし。ウィーンからといって、この季節あちこちで荒稼ぎしているんじゃないかしら、という印象を受けました。

まぁ、たっぷり聞かせてくれたし、楽しい曲もたくさんありました。
ひとつは、フルート奏者が指揮者の横に立って、何を演奏するかな、と思ったら、2音だけ、ピ・ポ、 と吹くんです。 はじめから終わりまで、ピ・ポ、 ピ・ポ だけ。途中で楽譜を落としちゃったり、それをさかさまに置いたり、みんなの笑いを誘います。 そんな演出は楽しかったです。
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コンサートが終わると、ちょっと何か飲んでゆこう、と近くの「エジプト」へ。

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最近お店をきれいにして、なかなか素敵になりました。
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モロッコ出身のお兄さんがちょっとなれなれしすぎてやなんですが、大体なんでもおいしい。
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カバとパン・コン・トマテ(パンにトマトの切り口をすり込んでオリーブオイルをかけたもの)においしいアンチョビーと赤ピーマンの焼いてとろりとしたものが乗ったのをいただきました。
そろそろ12時、お店はほとんどお客さんがいないのも不思議。ランブラス通りは人で埋まっているほどですのに。

久しぶりのコンサート、楽しかったです。

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by gyuopera | 2006-12-28 04:38 | オペラ、コンサート musica | Comments(11)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera