オペラ Cenerentola

今年最後のオペラ、ロッシーニのチェネレントラを見に行きました。

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今、ちょうどリセウ劇場の中で、マリア・カラスのステージで使われた宝石の展示会をやっています。オペラで使われたものは、遠くから見るだけだからたいしたことは無いと思ったら大間違いで、どれも大変手の込んだ、見事なものばかりでびっくりしました。オペラって本当にお金をかけるものなのですね!
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さて、ロッシーニのチェネレントラは、ご存知でない方はいないと思いますが、いわゆるシンデレラのお話を、ロッシーニの時代に置き換えたもの。 継母でなく継父になり、ガラスの靴でなく腕輪になります。
今回は、今話題のテノール、Juan Diego Floresがプリンスを歌うので話題になっています。

今回は、演出も、いかにもメルヘンチックにして、それで話題を呼んでいましたので、会場にはお子様連れもかなり見かけました。


舞台はシンプルで、まったく同じ部屋が落ちぶれた貧しい男爵家にもなり、プリンスのお城にもなるのです。
舞台写真は、リセウのHPからお借りしたものです。


幕が開くと、下着姿の義姉達が、アンジェリーナ(チェネレントラ)をいじめています。
大ネズミが6匹、ごそごそしていてとても面白い。

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そこに、杖をついたよぼよぼの物乞いが来て、食べ物を請いますが、義姉たちは怒って追い出そうとし、アンジェリーナは彼にこっそり食べ物を与えます。


急にどやどやとお城の側近の団体が現れ、これからプリンスがやってきて、お城に舞踏会の招待をすると告げに来ます。

落ちぶれ貴族の義父ドン・マニフィコ男爵が起きてきて、見たばかりの素晴らしい夢の話をします。ダンディーニ役はCarlos Chausson, さすがの歌唱です。
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みんなが引っ込んでしまうと、プリンスの世話役に扮したプリンス自身がやってきて、アンジェリーナとばったり、二人はひと目で恋に落ちてしまいます。
なぜこんな落ちぶれた貴族の家に来たのかといいますと、実は先ほどの物乞いがプリンスの先生である学者のアリードロで、この家にプリンスの奥様になる女性がいると予言したからなのです。
そこにプリンスと側近の一団が到着。お城のダンスパーティの招待状を持ってきます。
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楽しい場面のビデオは、ミラノスカラ座、ポネル演出のもの
http://jp.youtube.com/watch?v=qiz0J99CaBQ

プリンスに扮しているのがプリンスの世話役のダンディーニ。Fabio Capitanucci. 適役です。あー、でもジーノ・キリコのダンディーニが懐かしい!!
そうとは知らない二人の義姉たちは、さかんに愛嬌を振りまきます。


アンジェリーナは、義父に、1時間でも、15分でも良いからお城に連れて行ってと頼みますが、男爵は怒って打とうとします。助けに現れたプリンスとダンディーニも、結局はアンジェリーナを置いてお城に行かざるをえなくなり、泣いているアンジェリーナを物乞いに扮したアリードロ博士が慰め、正体を明かして、お城にいかせてあげるのです。ネズミたちが、かわいいコモードのような乗り物を持ってきてアンジェリーナを乗せ、お城に出発します。
暖炉の上の棚が上までずっと上がって、お城の入り口になります。

お城は同じ場面をライトだけで雰囲気を変えたもので、上からシャンデリアでも下げたら、もっとそれらしくなるのにな~なんて思ってしまいました。


これはお城の場面、プリンスに扮したダンディーニが、

「あの二人姉妹は虚栄の塊」とささやく ”Zitto zitto, piano piano" は、短いけれど私の大好きなデュエット。でも、かなり早口なので難しいらしい。いろいろなバーションで見ても、この場面をうまく楽しく歌っているのは意外と少ないのです。今回もあまり素敵じゃなかったな~。
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そこに、アンジェリーナが美しく変身して登場!
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ここで晩餐会が開かれます。
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ネズミちゃんがかわいい。

この部分のビデオも面白いですよ。スカラ座のもの。

http://jp.youtube.com/watch?v=WJjsWplxqt8&feature=related


アンジェリーナが偽プリンスに求愛されても、彼女は彼の世話役に恋をしていると、偽プリンスの愛をはねつけます。
喜んだ本物のプリンスが、彼女に近寄ると、彼女は腕輪をはずして、探してください、と消えてしまいます。

ここで歌われるプリンスの、Si, ritrovarla, io giuroは、高音が続けて出てくる大変なアリア。
各テノールを比べると面白い。

Ramon Vargas
http://jp.youtube.com/watch?v=EdYaKqr8NTY
Juan Diego Flores
http://jp.youtube.com/watch?v=7S_xEc_S9OI
Francisco Araiza
http://jp.youtube.com/watch?v=lfz0Y2CXvQQ

私は断然Araizaが好きですね。リセウのは、私が見た日はBarry Banksと言うテノールで、一生懸命だったけれど、演技もまだまだのようでした。


プリンスが嵐の中を馬車を飛ばして探しに行くシーンは、今回の演出では、ネズミたちが小さな馬車を動かしてゆく影絵になっていますが、これはちょっとさびしかった!
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ザルツブルグのこれが一番素敵だと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=V_xQ7nvhq_Iこれは幕が上がったとき、拍手が沸き起こりました。


プリンスが男爵の家で腕輪をはめたアンジェリーナを見つけ出した時歌われる
Cuesto e un nodo awiluppatoは、巻き舌を多用した音が沢山出てくると手も面白い6重唱。

リセウの演出では、ちょっと物足りなかったんだけれど、ポネル演出のはシルエットが面白い

http://jp.youtube.com/watch?v=NB14yuKef1s&feature=related

王子との結婚式で、アンジェリーナが前と同じチェネレントラの服のままに、ティアラだけつけています。長い素晴らしいアリアを歌ったあと、お城は消え、アンジェリーナはまたもとの男爵家で掃除をしているところで幕が下ります。夢だったのですね。


映像をいろいろごちゃごちゃ混ぜて申し訳ありませんが・・・ ロッシーニのオペラはテンポが命。それに付いていけないと、楽しさ半減ですね。

今回アンジェリーナを歌った Silvia Tro Santafeは、アグネス・バルツァのアンジェリーナを思い出す歌唱で、とても素晴らしかったです。 意地悪義姉妹の二人もとても好演していました。

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Commented by alex at 2007-12-30 10:13 x
gyuさん、おはようございます。
 ↓のサシュ、素敵ですよ~。ブローチだって買ったものみたいです。以前いただいたラベンダーはビンに入れて寝室に置いていますが、私も真似して作ってみよう!
 ↑ロッシーニがシンデレラのオペラを作ったこと、これを読んで思い出しました(笑)。舞台は見たことがありませんが、gyuさんのテンポが命というお話になるほどと思いました。こんな可愛い演出だとオペラに馴染む子どもも増えそうですね。
 暖かくて雪のないお正月、実家で過ごします。gyuさんもよいお年をお迎え下さい。
Commented by gyu at 2007-12-30 17:08 x
♪ alexさん、おはようございます ♪ いつもコメントありがとうございます。
今年は雪が無いですか?大晦日辺りに降るんじゃないかって聞きましたが・・・バルセロナも日中は10度くらいですね。
チェネレントラは一見お子様向けのメルヘンオペラみたいですが、これをうまく歌うのはものすごく難しいと思います。それを微塵も感じさせず、軽やかに、演技もたっぷりに歌われると、こんなに楽しいオペラは無いんですね。ですから、いいテノールが出ないと、なかなか上演されません。アライサのプリンスは一世を風靡していて、世界中で歌っていましたが、今フローレスが人気ですね。でもやっぱりアライサにはかなわないな。
Commented by snowy_opal at 2007-12-30 17:52 x
ここ数年、オペラにだんだん嵌ってきている所なのですが、このロッシーニのシンデレラオペラの舞台美術、衣装に魅せられてしまいました。スペインの美センス、噂以上に恐るべしですね。素敵です。
それと、所々に入れてくださったリンクの中、ザルツブルグの馬車も凄く素敵だったわ。
このyourtube凄いですねぇ。今まで存じませんでした。最近気になっているリチートラというオペラ歌手の名前を入れて検索したら、トスカを歌っているところやら、嬉しい映像が音つきで出てきて、どっぷり嵌ってしまいました。きゃ~、うれしや~。有難うございます。
Commented by seedsbook at 2007-12-30 19:31 x
楽しい舞台美術ですね。明るくて年末にこういうのをひとつ聞くと元気になりそうです。

Commented by tripper_01 at 2007-12-30 21:41
羨ましいなぁ、音楽、演劇、オペラなどなどが守備範囲に入るって!
興味はあるけれど近寄り難いと云うか近寄る努力がツライ。
楽しみの範囲が広いんですよね!
Commented by gyuopera at 2007-12-30 21:48
♪ snowy_opalさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
バルセロナとマドリッドと比べると、マドリッドのほうがオーソドックスなものが多いようです。バルセロナは時として、超モダンなのがあり、時々ついていけない・・・(笑)。 でもまぁこれはカラフルで楽しく、オーケストラも素晴らしく、時々演出でちょっと、と思ったりしましたが、かなり楽しめました。
ザルツブルグの馬車を飛ばしているシーン、すごっくいいでしょう?ここは何回も見てしまいます。
Youtube,本当にすごいです。普通見られないような映像も沢山あって、うれしいですね。私もいろいろ検索しては喜んでいます(笑)。
Commented by gyuopera at 2007-12-30 21:53
♪ seedsbookさん、お風邪の具合はいかがですか?こういうときに風邪、つらいですよね。私も何年か前、年末に熱を出して、元旦1日と2日はずっとベッドにいたことがありました。近年、薬を飲まなくなってから、風邪で寝込むことは無くなりましたね。
このオペラはとても楽しいので、こんな時期に見るのは良いですね。あれからすっかり楽しくなっちゃって、いつもこの最後のCuesto e un nodo awiluppatoを口ずさんでいるんですよ。
Commented by gyuopera at 2007-12-30 22:02
♪ tripperさん、こんにちは!! 膝の具合はいかがですか?
難しいオペラもあるけれど、ロッシーニのこんな楽しいオペラだったら、近寄りがたいなんてことはありませんよ。楽しむように出来ているんですから。オペラといってもものすごい幅が広いですから、こういう楽しいものから入られたらいかがでしょう?要は、楽しむ、っていうことですよ(笑)。
Commented by レモンドロップ at 2007-12-31 00:53 x
子供づれでオペラに来ている方がいるんですね。ホントにホントにうらやましい!!!去年まではナットクラッカーを娘と見に行っていたのですが、今年はピューロランドに行った時にキティちゃんのナットクラッカーを見ました。でもあまりの違いに消化不良を起こしています。こんな風に子供の鑑賞にも堪えられるようなオペラがあるとホントにいいですね!
Commented by MiscellaneousOGRs at 2007-12-31 02:19
gyuさん、こんばんは。

なんとも楽しい色彩。
一見、目がチカチカするような錯覚をおぼえるけれど、
たいへんにバランスよく構成されているのが分かりますね。
白の分量も絶妙です...。

今年も残すところあと十数時間となりました。
一年はあっという間ですね。
時の経つ早さにビックリしている次第です。
どうぞおだやかな年の瀬をお過ごしください。
新しい一年がgyuさんにとって素晴らしい年になりますよう!

G d D
Commented by じゅん at 2007-12-31 12:13 x
gyuさん、こんにちは。
昨日は雷雨になったりしてわけのわからない天気でしたが、今日は
少し風が強くて寒いながら良い天気になりました。

暑い夏が終わったな~と思ったらもう年末、という感じで時間ばかりが
過ぎていくように思えますね。
今年もいろいろと楽しいお話をしていただきありがとうございました。
ボケリア市場に行ったな、とか
そのすぐ隣のエジプトで昼ごはんを食べたな、とか
Floで夕食を食べたな、とか
gyuさんのお話から楽しいアレコレが思い出されます。

すぐにバルセロナを再訪することはできないと思いますので、
ぜひ来年もバルセロナの街の近況を伝えてください。
よろしくお願いします。
それではお体にはお気をつけて。
(そういえば今年はけっこう体調を崩されていらっしゃったような・・・)
良いお年を。
Commented by gyuopera at 2007-12-31 16:46
♪ レモンドロップさん、おはようございます。いつもコメントありがとうございます。
リセウ劇場のプログラムに、プチ・リセウといって、毎年セビリアの理髪師や、魔笛などを、お子様が楽しめるような演出で上演しています。
チェネレントラは、高度な歌唱技術が必要なので、それには入っていませんが、今回はかなりメルヘン的要素をふんだんに盛り込んでいると思います。
オペラ好きの知人は、みんな口をそろえて、小さいころからオペラを見に行っていた、といいますから、オペラが身近にあるという環境ですね。
コンサートも、日曜日の午前中は、夜が苦手な高齢者やお子様たちの姿をかなり見かけます。そしてお値段も格安! とても良いことだと思います。
それでは良いお年をお迎えくださいね。
Commented by gyuopera at 2007-12-31 16:53
♪ G d D さん、おはようございます。本当にあとわずかで今年も終わりですね。
静かな年の瀬を送るつもりでしたのに、昨日になって、車が動かなくなり、飛行場に息子を迎えに行くこともできず、あたふたとしています。

このオペラ、ヴィヴィッドな色でしたが、案外目がちかちかしなかったですね。早口言葉のような場面が沢山出てくるオペラですので、ちょっと遅れたりぼやけてしまうところもありましたが、そのほかはかなり楽しめました。ロッシーニは歌うの難しいと思いますよ!

今年は沢山の美しい写真を見させていただきどうもありがとうございました。サフランの花は、私の壁紙にさせていただいています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by gyuopera at 2007-12-31 16:59
♪ じゅんさん、おはようございます。いつもきちんきちんとコメント入れてくださってありがとうございます。
早いものですね、あっという間にもう今年が終わってしまいます。じゅんさんがバルセロナにいらっしゃってから何年もたってしまったのですね。
何回かエジプトもご利用なさってらっしゃいましたよね。あそこ、お店をちょっと綺麗にして、値段をぐっと上げたので、最近は以前のように混んでいなくなったんですよ。ちょっと値上げしすぎ!
外食費はかなり高くなりましたね。観光客も増えたし、ユーロのこともあるし・・・それでも一般にここの人は外で食べるのが好きですね。
またいつの日か、ゆっくりバルセロナにいらしてください。定年後でも・・・ そのときは私はもうこの世にいないかもしれないけれど(笑)。
それでは良いお年をお迎えくださいね。
Commented by ミーム at 2007-12-31 17:25 x
すばらしい色彩ですねー!!
原色がちりばめられているのはやはり太陽の国、スペインならではなのでしょうか。
鮮やかなグリーンに衣装の色が映えてますね!
衣装がポップでかわいい!!私も見てみたいです。
シンデレラなら言葉が分からなくてもなんとか理解できそうかな??

今年はgyuさんのブログに偶然にも出会えて本当によかったです。
よいお年をお迎えください!
Commented by l-instant at 2008-01-01 00:00
gyuさん。
コメントが随分と遅くなり失礼しました。

オペラ、いいですねー、 長いことオペラやバレエ、ミュージカル、離れてしまって寂しいです。

斬新なコスチュームと演出のようですね、 ヨーロッパの方はこういう風にアレンジできるのがすごいというか、層が厚いのでしょうか、、、

迎える年 2008年どうぞよろしくお願いいたします。
来年こそ、スペイン お邪魔してみたいです! *rumiko
Commented by gyuopera at 2008-01-01 00:30
♪ ミームさん、こんにちは♪ もうすぐ今年も終わりですね。
お菓子の国のようで、舞台はなかなか面白かったですね。ドン・マニフィコの上着にも、裾に針金が入っていてフワフワゆれてるしね。プリンスが最後にプリンスのかつらをかぶって出てきたら、かわいそうなくらい似合わないので笑ってしまいましたよ。こういうオペラは本当に楽しくて良いです。あんまり深刻になってしまうオペラより好きですね。
ここでは王子様が召使に化けて、召使が王子になって、娘たちの招待を探るようになっていて、いっそう面白いのです。その早口言葉のようなイタリア語がぽんぽん飛び交うのも魅力。いつか機会があったら是非ご覧になってくださいね。飽きないです。
ミームさんも、どうぞ良いお年をお迎えくださいね。
Commented by gyuopera at 2008-01-01 00:55
♪ rumikoさん、こんにちは ♪ コメントありがとうございます。
お家の修復作業、ただただ感心しながら読ませていただいています。本当にすごいですね~。
オペラは大好きで、時々見に行きます。以前はもっと頻繁に行っていたのですが、最近はリセウにしか行っていないので、少なくなりましたね。
来年はバレエも2つ切符を買ってあります。
rumikoさんもあちこち旅行なさっているから、うまく行けば旅先でも見られるかも?私は旅行もなかなかしなくなってしまいました。
2008年が幸男沖としでありますように!!
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by gyuopera | 2007-12-30 07:45 | オペラ、コンサート musica | Comments(18)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera