GATCPAC


バルセロナは建築的に面白い建物がたくさんあって、古いものは古代ローマ時代から、さまざまな建築様式のものが見られます。

バルセロナを訪れた人なら誰でもがその装飾過多の建物にびっくりするでしょう。
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Eusebi Bona i Puig設計、1931年築

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カタルニァ、とくにバルセロナのアイシャンプル地区は、富の象徴のように建物の正面をこうした装飾で覆った建物がずらりと並んでいます。

これらは19世紀末から始まったモデルニスモ、カタルニァアールヌーボーと、1900年頃から始まったノベセンティスモと呼ばれるものです。モデルニスモは、スペインではバルセロナとバレンシアのみで受け入れられたので、ほかの都市ではほとんど見られません。

産業革命、人口増加、町の近代化とともに、もっと合理的な建物を作ろうという運動が起こり、1929年にG.A.T.C.P.C.(Grup d'Artistes i Tecnics Catalans per al Progre's de l'Arquitectura Contempora'nia)という建築家のグループが形成されました。翌年、その運動は全国に広がり、GATEPAC(Grupo de artistas y Te'cnicos Espan~oles para el Progreso de la Arquitectura Contempora'nea)となったわけですが、要するに、すべての装飾を省いた、合理的でかつ機能的な近代的建築を目指した「合理主義」と呼ばれる動きです。


これは、明らかに従来のモデルニスモやノベセンティスモの反対を行く流れで、このとき、たくさんの建物が建てられました。このグループは市民戦争によって終止符を打たれますが、近代建築のもととなった、建築上では大変意味のある建物なのです。


どんな建物かというと、

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全く装飾の無い、そっけないばかりの建物
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このグループの中心的人物、Llosep Lluis Sert(かのコルビュジェの弟子)設計のMuntaner通りにある住居。1930~31年建設。

私のフルートの生徒さんに建築家がいて、生徒さんといっても60歳ですが、彼が、この建物はバルセロナで一番美しい、と絶賛するので、わざわざ見に行ったら、内心、「な~んだ」。でも、建築上、大変意義の深い重要な建物なのですね。
内部は、ワンフロアがデュープレックス、つまり二階になっていて、とてもよくできているのだそうです。

そして続けて

Casa Roca Barallat 1935年築 Carles Martinez i Sanchez
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Joyeria Roca 1934 年 Josep Lluís Sert
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Dispensario Antituberculoso(結核無料診療所)1934~8年築 Josep Lluis Sert
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Edificio Diagonal 1940年築 Ricard de Churruca i Germán Rodríguez Arias

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それ以降の建築は、この様式の建物がほぼ基本となっています。

General Mitre 1960~1963 Francisco J. Barba Corsini
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ちょっと見ると、そんなに古い建物とは見えず、ここ2,30年くらいに建てられたものかと見まがうのですが、これらは近代建築のはしりの建物だったわけです。
装飾の町バルセロナに、こんな建物が当時建てられ始めたのもとても面白いと思います。
1932年にアサーニャ政権によってカタルニァ自治法が成立し、ジェネラリター(カタルーニャ自治政府)に自治権が与えられました。そのジェネラリターが率先して進めた都市計画の多くにGATECPACの建築家たちが関わっています。

私の生徒さんの建築家は言います。

「ぜひRacionalismo(合理主義)の建物を探してごらん」

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Commented by bao at 2007-05-18 18:36 x
建物大好きな私にとって、ずっと眺めていても飽きないんです。
最近、日本で、合理的な集合住宅が再燃しはじめていると聞いたことがあります。昔の団地です。あれに究極の美を感じるそうです。
おもしろいですね。
Commented by あや at 2007-05-18 20:20 x
バルセロナってほんまに見てて飽きない建物が多いんですね。
楽しみ!
そうそう、会社、退職しました。
今月末には関西(実家)に帰って、約3ヶ月ちょっとゆっくりしつつ、勉強もしつつ頑張ります。
昨日自分がバルセロナにいる夢をみました^^;;; まだ早いですね、、、
親孝行もしないとなぁ~、、、
Commented by momo* at 2007-05-19 01:38 x
gyuさん、おひさしぶりです。^^)
とても興味深い建築のお話、ありがとうございます。gyuさんのお写真は本当にドキドキさせられます。
1930年代に、あの装飾もなにもないシンプルな建物が建ちだしたんですね。。。う~ん、当時はさぞ景観を損ねるなど反対意見も多かったと思います。当時に生きてたら、私もきっと反対派だったと思います。(笑)
建築デザイナーさん、勇気ある行動でしたね。
Commented by gyuopera at 2007-05-19 03:39
♪ あやさん、バルセロナの建物は、そのほうに興味がある人にはとても面白いと思いますよ。私も昔はショーウィンドーばかり見ていたけれど、今は上を向いて建物ばかり見ています。それでしょっちゅう写真撮ったりして、しっかりおのぼりさんやってます(笑)。この間なんか、カメラを取り出したら、一緒にいた友達が、「きゃーやだ」と離れてゆきました。
スペイン語がんばってくださいね。こちらに来たとき、ある程度話せれば、ずっといろいろなことが楽になります。
会話学校はオフィシャルというのが質の高いいい授業をします。9月半ばに受付が始まります。
Commented by gyuopera at 2007-05-19 03:44
♪ momo*さん、コメントありがとうございます。
このRasionalismはアメリカにも行き、似た感じの建物が建てられているそうです。
こういう建物は、知らなければそのまま通り過ぎてしまいますね。建築家の生徒さんに教えてもらったので、また建物の見方が少しかわりました。バルセロナの建築という本も買って、毎日眺めています。
でも今日、町がとてもきれいに見えるのは、装飾の多い建物をきれいに修復して建てた当時のようにしているからで、このシンプルな建物だけだったら、こんなに観光客も来なかったでしょうね。
Commented by ☆SAKURA at 2007-05-19 14:11 x
始めまして♪
ブログ内をウロウロしているうちにたどり着きました。
バルセロナは10年ぐらい前にツアーで訪れましたが
改めてすばらしい写真の数々
建物のすばらしさに目を見張りました。
またお邪魔させて頂きます♪


Commented by BAO at 2007-05-19 14:39 x
立て続けですみません。
バレンシアへ何度か行った時、建物ばかりの写真を撮っていました。
ちょっと電車で1時間ばかりしたところにある、小さな街を訪れたときに、
同じようなカワイイ家が新興住宅地のように建ち並んでいました。そこで思ったのです。家も色彩も調和が取れているし、よく花も飾るから、どこへ行ってもキレイなんです。
醜悪な日本もアンバランスな街、看板、無味乾燥なベランダに注意を払えば、少しはきれいになるのではないかと。まだまだそれだけでは不足なんですけどね。悲しいことに(笑)  案外、ちゃんばらの時代の方が整っていたり・・・  ともかく、欧州の町並みは憧れます^^
Commented by raindropsonroses at 2007-05-19 14:46
gyuさんへ。
こんにちは。バルセロナの街に出た僕の第一印象が「なんて装飾的な!」でした。
旅先で見る分には何とも思わないけど、チョッと僕の趣味からすると過剰です(笑)
それに引き換え、下の方の写真、とても70年も経っているとは思えませんね。
特に「Casa Roca Barallat」なんて素敵!こう言うアパートがあったら是非、住んでみたいです。
日本のごった煮的貧乏臭い建築からすると夢のようですね。

ブノワ。
Commented by gyuopera at 2007-05-19 18:51
♪ SAKURAさん、コメントをどうもありがとうございます。
パックのツアーですと、一つの都市が2,3日なので、あまりゆっくりはごらんになれなかったかと思います。この町はしばらく滞在して、町を歩き、旧市街を散策し、バールに入って地元の人たちが食べるものを食べ、市場をのぞき・・・ そんなことをするには最適の町。

私もかなりたくさんの土地を見てきましたが、住んでみたいと思う場所はそんなにいくつもありません。ここは、本当に住んで楽しい町です。ただ、かなり住居費と外食代が高いですね。
Commented by gyuopera at 2007-05-19 18:57
♪ BAOさん、バレンシアの写真、見せていただきました。建物が好き!というのが伝わってきましたね。
そうですね、ヨーロッパって、ベランダや窓辺に花を植えるのも、たとえばアパート全体が同じ色になるように植えていますね。ちゃんと統一を考えていると思います。バルセロナははあまりやらないほうだけれど、北のほうに行くと特にそうですね。看板には厳しい規制があって、所定の場所以外は、建物の外側につけることはできません。これは町の醜悪化の元凶みたいなものですからね。
町並みがきれいなのは、市や地方自治体が莫大なお金を払っていること、そして市民も便利さよりも町の雰囲気を壊さないように協力しているからでしょうね。
Commented by gyuopera at 2007-05-19 19:04
♪ ブノワさん、もうじきパリ行きですね。
そうでしょう、初めてバルセロナにいらした方は、その装飾一杯の建物に圧倒されてしまうようです。確かにきれいだけれど、行き過ぎ~、と思うこともしばしばですね。設計者に任されているんでしょうけれど、かなり うっと思うのもありますね。まぁ、町全体がミュージアムみたいと思っていればいいんですが。だからバスに乗っていても楽しいですよ。
それに比べ、地方都市の建物は一般にもっとずっとすっきりしています。
これらの合理主義の建物、今の建物はほぼこういう建物が多いのですが、一度中をゆっくり見させてもらいたいものです。住むには、絶対こういう建物のほうが快適だと思いますよ。
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by gyuopera | 2007-05-18 15:19 | バルセロナ案内 Barcelona | Comments(11)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera