國松竜次さんのギターリサイタル

2月5日の夜、Valencia通りの Casa Elisaldeで、國松竜次さんのギターリサイタルがありました。

國松さんは、昨年11月、第3回バルセロナ国際ギターコンクール“ミゲル・リョベート”で見事優勝、すでにレコーディング、ヨーロッパ各地での音楽フェスティバル出演が決まって、今後の活躍が期待される若きギタリストです。

プログラムは

無伴奏バイオリンソナタ第1番BWV1001(J・S・バッハ)
レインニング・アット・グレイ(國松竜次)
2つの日本の歌
オブリヴィオン(A・ピアソラ)

スペイン・セレナーデ(J・マラッツ)
ダンサ・モーラ、グランドワルツ(F・タレガ)
ドビュッシー讃歌(M・de・ファリャ)
セビリャーナ(J・トゥリーナ)
レスプエスタ、エル・メストレ、スケルツォ・ワルツ(M・リョベート)

会場の扉のにはすでに長い列ができていました。それでも前から2列目の席に座れました。
隣の年配のセニョーラが、

「あなたは日本人?まだ若くていいわね」
と言うので、
「いや、もう若いとは言い難い年代なんですが」
と答えると、
「70歳までは若いわよ。私はもう77歳。やっぱりね、今日はよくても明日のことはわからない。でも、生演奏が大好き!だからコンサートがあるたび行くんですよ。」

このカサ・エリサルデでも2ヶ月に一度、こうして無料のコンサートがあるとか。そのほかにも、カタルニァ広場のCaja Madridで毎月一度コンサートがあり、2ユーロで聞けるとか。さらに、コンセルバトリオ(音楽学校)でも毎週木曜日に無料コンサートをやっている、といろいろ情報をくれます。

「先週の土曜日なんか、7時から近くのFNACで3台のエレキギターとドラムのコンサートがあったのよ。面白かった。それで8時半からCaja Madridのバロック音楽のコンサートにも行ってね、そのコントラストが面白かったですよ」

このセニョーラ、若い!高いチケット代を払って、大きなコンサートホールに行くだけが音楽を楽めるわけじゃないんですね。

前に座っていた坊主頭のセニョールは、片言の日本語を話し、

「オレは日本に一年住んでいたんだよ。三重のスペイン村でピエロをやっていたよ。 日本はこことぜんぜん違うね。緑が一杯あって、どこもきちんとしてて。人は思っていることを口に出していわないから、何を考えているんだかわからないところがあるね」

こういう、知らない人たちとの会話もなかなか楽しいものです。

國松さんがステージに出てくると、横のセニョーラが、
「若いねぇ! それになんてハンサム。日本人じゃないみたいだね」

さて、リサイタルのお話からずれて申し訳ありません!

はじめのバッハ、こういう演奏をCDで聞いていてもあまり面白くないのですが、生は違いますね! すばらしかったです。
続いて國松さんご自身の作曲された曲。いろいろなテクニックを駆使して不思議な世界を作り上げています。ふー。

続いて日本の歌、「かえりゃんせz(あの町この町、かな?)」と「あかとんぼ」を、國松さんがギター用にアレンジしたもの。
日本の歌はいい曲がたくさんありますね。

前半最後のピアソラ。たくさんタンゴを作曲しているけれど、器楽の曲もいいものが多いですね。素敵な演奏でした。

後半はスペインものがずらり。 私はあまりギター曲のことはわからないのですが、とても素敵で興奮しました。

写真は調音しているときで、もちろん演奏しているときではありません。

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國松さんの演奏は、繊細で、テクニックに優れ、私のギター音楽のイメージを覆し、そこに新しい空間を作り上げているようでした。

アンコールに、これまたご自身の作曲した「京都」と言う、琴の音をまねたような、とても風情のある曲をご披露してくれました。

本当にいいリサイタルでした。

3日後には3年のスペイン留学を終えて日本に帰国なさる國松さん、今後の活躍に期待したいものです。

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Commented by alex at 2007-02-06 19:15 x
 こんにちは。スペインと言えばギター、ギターといえばナルシソ・イエペスなんて言うと年代が分かりますか?(笑) ポルトガルギターの音色も好きなんですけど。
 私も今週末ギターを聴きに行きます。と言っても小さなお店の10人程のテーブル席を前に、地元で地道な演奏活動をされているギタリストのです。昨年末、初めて友人のお店(本来は漬け物屋さんです!?)でそのギタリストの演奏会をしたら、演奏者もお客さん達にも大好評で、また是非ということになったんです。ギターは大きなホールではなく、顔も息づかいも見えるような所がいいように思います。だから音楽だけでなく、見知らぬ方々とも良い時間を持てるような気がします。
 「赤とんぼ」はわかりますが「かえりゃんせ」という曲もあるのですか?叙情的なものが多いから、ギターに合うのかもしれませんね。
Commented by gyuopera at 2007-02-06 19:53
♪alexさん、こんにちは。
ギターの音はとても静かですから、細かいニュアンスまで聞き取れる小さなホールがベターだと思います。
國松さんの演奏は、私のギターのイメージを覆し、新しい世界を発見したような驚きがありました。

曲の名前、うろ覚えなんです。「あの町この町日が暮れる・・・今来たこの道かえりゃんせ・・・」と言う歌詞だったと思います。
Commented by alex at 2007-02-06 20:26 x
gyuさん、お返事ありがとうございます。歌詞には聞き覚えがあります!わかりました。 正直なところ、ギター演奏はメロディーラインがわかりにくくて、知っている曲だと浸って聴けるのですが、演奏者自身の作曲だと「ハァ~すごいんだ…」と思って、耳より目を使って聴いているかもしれません(笑)。
Commented by MiscellaneousOGRs at 2007-02-06 22:19
gyuさん

こんばんは!
ギターの音色って聴くその時々の体調によって、
幾重にも違って聴こえるから不思議です...。
國松さん、京都出身の方なんですね。
gyuさんと隣り合わせになった方との会話、とっても微笑ましいですね。
僕も幾つになっても音楽を楽しめる人間でありたいな、と思います。
バッハからピアソラまで...。とっても懐の広い豊かな方なのですね。
バルセロナの人々に「あかとんぼ」はどのように響いたのでしょうか...。
異国の地で奏でられた弦の響き...。
小さなホールとの事ですが、密接で濃厚な時間が流れているように
想像いたしました。とても豊かな時間を過ごされたのですね。

G d D
Commented by junjapon at 2007-02-07 02:35
こんにちは!
是非聞きに行きたいですね~。 坊主頭のセニョ-ルで、えっ?!ルイスって思った私。背が低めで痩せてて・・・バルセロナ出身でした。話ずれて、すみません!出会いって面白いですね!
Commented by gyuopera at 2007-02-07 03:22
♪alexさん、ギターの音は耳に心地よく、この音を嫌いな人はいないのではないでしょうか。すばらしいギタリストの演奏は、小オーケストラのようですね。
すぐ近くで聞けるなんて素敵。コンサート、楽しんできてくださいね。
Commented by gyuopera at 2007-02-07 03:33
♪G d Dさん、いつもコメントをありがとうございます。
國松さんの演奏は、激しいところでも決して音量を無理に上げず、ささやくように奏でている部分がたくさんありました。それでみんなもそれを一生懸命聞こうと、かなり静かにしていました(笑)。 近くで教会の鐘の音が聞こえ、遅れてきた人や、セキが止まらなくなった人が入ったり出て行ったりの音が響き、あれはちょっと迷惑でした。すばらしいホールと言うわけではなかったけれど、とてもいいリサイタルでした。
隣にいたセニョーラは、またどこかのコンサートであうかもしれません。お友達になりたいな、と思うくらい、好感を持ちました。77歳でもかわいい方でした。
リセウ劇場に行くときも、電車の中で前に座ったセニョーラと、オペラについて話し込んでしまいました。音楽が共通の話題だと、ついつい話が弾みます。
Commented by gyuopera at 2007-02-07 03:37
♪junjaponさん、國松さんはまた4月にいらっしゃるようなので、コンサートをやるかもしれません。彼のCDは、コルテ・イングレスで発売するそうですから、そちらでも買えると思いますよ。でもやっぱり生のほうがいいですね!
このごろ、坊主頭の人を良く見かけると思います。ドイツ人は早くはげるので、30代で坊主頭の人が多いですね。頭洗うのが楽でいいわねl。
この人は結構背が高かったですね。
Commented by コボ at 2007-02-07 13:13 x
gyuさん、こんにちは。いつも素敵なブログありがとうございます。
偶然出会ったセニューラ&セニョールとの楽しい会話素敵ですね!
それにしても、國松さんが足を組んでギターをもっている姿はかっこいいですね~!
もちろん、演奏も聞いてみたいです(笑)。
Commented by AoimikanM at 2007-02-07 14:31
gyuさん、バルセロナに響き渡る日本人ギタリスト、、。とっても感動した事でしょうね。
彼は確か関西方面のご出身で、何度かNHKでそのテクニックを拝見したことがありました。
繊細で、色気のあるギターの音が想い起こされました。
私は個人的に小さなライブハウスのような、空気の濃い舞台が好きです。
いいな〜。gyuさん!!
故郷の曲はいかがでしたか? ジ〜ンとなってしまいそうです。
*ねね
Commented by gyuopera at 2007-02-07 15:33
♪コボさん、おはようございます。
國松さんの演奏は何度か聞いていて、いつも、ギターってこんなに素敵なものなんだ、と驚かされてきました。スペイン人から見ると、かなりクールな演奏のように思われるらしいです。それはその人のスタイルですし、みんな一心に聞いていましたね。
こういう小さなホールで、無料のコンサートだと、高いコンサートホールに来る気取った人ばかりではなくて、本当に音楽の好きな人が来るので、ちょっとした会話が楽しいですね。
Commented by gyuopera at 2007-02-07 15:49
♪*ねねさん、いつもコメントをありがとうございます。
日本でNHKに出演したりしているんですか! それではすでに日本で知られたギタリストなのですね。今まで何度かリサイタルを聞けて、ラッキーでした。とても気さくで、控えめな方ですね。
ギターを聞くには、ささやくような音まで聞こえる、小さなホールがいいですね。
私はなぜか、日本は好きでも、あまり故郷への郷愁が無いんですよ。どこに住んでいても、そこで楽しんでしまうからかしら・・・
Commented by jacarandaまきお at 2007-02-12 21:33 x
そんな有名な方だったんですか?
先日HPで京都へ一時帰国の際コンサートあるって載っていて、たまたまその日仕事でいけないから別の日にはやっていないか問い合わせたらすぐ返事がきました。とってもフレンドリーな方ですね。
いつか聞きたいわぁ
Commented by gyuopera at 2007-02-13 03:56
♪jacarandaまきおさん、彼、もう本帰国なさったんです。でも年内にすでにヨーロッパで何回かコンサートの予定が組まれているので、また聞くことができるかと楽しみにしています。日本でもこれからどんどんコンサートするようになるでしょうね。
フレンドリーで気さくでいい方ですよ。彼の名前のMixiのコミュがありますよ。コンサート予定など出ています。
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by gyuopera | 2007-02-06 17:38 | オペラ、コンサート musica | Comments(14)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera