2006年 11月 01日
夜のリベラ地区 |
先週の金曜日、バルセロナをもっと知ろう! という試みで、ガイドの説明を聞きながら夜の街を歩く、というツアーがありました。
その日はリベラ地区を歩くということで、港の近くの中央郵便局前にあるAntonio Lopezの銅像の前で集合でした。集まったのは10人ほど。私たちを含め、外国人もいたので、普段ならカタラン語のところを、スペイン語で説明してくれました。
とにかく早口なガイドさん、でもネットやガイドブックではなかなか出ていないようなことまで本当に良く知っていて説明をしてくれました。
リベラ地区とは、以前何度かご紹介したボルン地区、シウダデラ公園を含む地域で、北はプリンセサ通り、西はライエタナ通りが境になります。このあたりはバルセロナでもとても古い地域で、細い路地が入り組み、移民が多く住み付いたので、以前はかなり危険な場所でした。でも最近ボルン地区が前衛的なファッションやしゃれたバール、レストランが次々出来て魅力的な地区として発展してきたので、治安もよくなり、だいぶ普通に歩けるようになりました。本当に3年位前はとても一人で歩ける雰囲気ではなかったのです。
まず、広場の横にあるロンハ。
そして、そこから細い路地に入ってゆきます。 ここは通りにアイアンの門が付いています。
「トランペット通り」
昔、ラッパを吹いて、おふれを読み上げたところです。
建物の下になっているので、トンネルのようですね。
人口がどんどん増えるにつれ、住居が足りなくなりました。それで、道路の上に建物を作って、下をトンネルのようにしたのだそうです。
また、スペースを広げるため、2階から上を、通りに張り出して建てたりもしましたが、向かいの家があまり近くなると、伝染病などが発生した時すぐにうつったりするので、後に禁止されました。ここはまだそれが残っています。
ここは「針通り」。 針といっても、50センチもある長い針のことで、ステッキなどに仕込んだものもありますから、当然人が殺せるわけです。それで後には持ち主や製造人が全部登録制になったとか。古いアパートの入り口、1802年の年号が見えます。
どの通りも必ず通りの名前を書いてある上に街灯があるのはいいですね。通りの名前はすべて大理石の結構厚い板に彫られていて、道の始まるところと終わるところ、交差するところにつけられています。それに、どんな小さな道でも名前が付いています。
時代のしみこんだような壁。こんなのを見ると、ペストの影を思い浮かべます。
ペストが大流行したのは1507年ですが、バルセロナでも何万という人が亡くなったのです。
清掃の人が、コンテナを引きずってゴミを集めていました。こんな小さな通りは、清掃車が入ってこれないので、人力でコンテナを動かしながら集めているのです。毎晩この作業は大変でしょうね。
中世そのままのような窓
こちらの窓はアールヌーボーですね。100年位前だとずいぶん新しく見えます。
ここは2階に張り出しがあり、3階はさらに張り出しています。上に行くにしたがって、だんだん向かいの建物との隙間が細くなってますね。
たった3メートル足らずの、バルセロナで一番短い道。それでも壁には名前を彫った3枚の大理石の板が3面に貼ってあります。昔ここでアニスというお酒を水で割って、きゅっと飲んだところ。
ここも、かなり張り出してますね。
こんなにあちこち張り出していると、番地がどうなっているんだか・・・
夜のサンタ・マリア・デル・マール教会。
1428年、建設中のこの教会のバラ窓が、地震で落ちてしまいました。そのとき12人が亡くなりました。大きなバラ窓です。
柱に彫られている、荷物を運んでいる人たちは、船から重い石を運んでここに持ってきた運び屋さんたちで、この人たちがとても重要な役割を担っていたわけです。 というのも、船は沖に停泊し、荷物は一旦はしけに移してから陸に揚げ、さらにここまで運んだわけですから、担ぎ屋さんがいなくては到底不可能だったわけです。
海のカテドラルともいわれ、大火のあと、市民が協力してみんなで作った、市民の教会です。
この教会の横にあった墓地は、今は広場になっていて、24時間ずっと火が灯されています。
火はガスが燃えているのですが、Gas Naturalの提供で、作られたのは2年前。その日からずっと燃え続けています。
広場は浅いすり鉢のような形をしています。
週末はみんな遅くまでのんびり外で楽しんでいます。このときで12時くらいでしょうか。
長くなりすぎるので、第一回目はここまで。
つづく
↓ クリックしていただけると励みになります。
その日はリベラ地区を歩くということで、港の近くの中央郵便局前にあるAntonio Lopezの銅像の前で集合でした。集まったのは10人ほど。私たちを含め、外国人もいたので、普段ならカタラン語のところを、スペイン語で説明してくれました。
とにかく早口なガイドさん、でもネットやガイドブックではなかなか出ていないようなことまで本当に良く知っていて説明をしてくれました。
リベラ地区とは、以前何度かご紹介したボルン地区、シウダデラ公園を含む地域で、北はプリンセサ通り、西はライエタナ通りが境になります。このあたりはバルセロナでもとても古い地域で、細い路地が入り組み、移民が多く住み付いたので、以前はかなり危険な場所でした。でも最近ボルン地区が前衛的なファッションやしゃれたバール、レストランが次々出来て魅力的な地区として発展してきたので、治安もよくなり、だいぶ普通に歩けるようになりました。本当に3年位前はとても一人で歩ける雰囲気ではなかったのです。
まず、広場の横にあるロンハ。
そして、そこから細い路地に入ってゆきます。 ここは通りにアイアンの門が付いています。
「トランペット通り」
昔、ラッパを吹いて、おふれを読み上げたところです。
建物の下になっているので、トンネルのようですね。
人口がどんどん増えるにつれ、住居が足りなくなりました。それで、道路の上に建物を作って、下をトンネルのようにしたのだそうです。
また、スペースを広げるため、2階から上を、通りに張り出して建てたりもしましたが、向かいの家があまり近くなると、伝染病などが発生した時すぐにうつったりするので、後に禁止されました。ここはまだそれが残っています。
ここは「針通り」。 針といっても、50センチもある長い針のことで、ステッキなどに仕込んだものもありますから、当然人が殺せるわけです。それで後には持ち主や製造人が全部登録制になったとか。古いアパートの入り口、1802年の年号が見えます。
どの通りも必ず通りの名前を書いてある上に街灯があるのはいいですね。通りの名前はすべて大理石の結構厚い板に彫られていて、道の始まるところと終わるところ、交差するところにつけられています。それに、どんな小さな道でも名前が付いています。
時代のしみこんだような壁。こんなのを見ると、ペストの影を思い浮かべます。
ペストが大流行したのは1507年ですが、バルセロナでも何万という人が亡くなったのです。
清掃の人が、コンテナを引きずってゴミを集めていました。こんな小さな通りは、清掃車が入ってこれないので、人力でコンテナを動かしながら集めているのです。毎晩この作業は大変でしょうね。
中世そのままのような窓
こちらの窓はアールヌーボーですね。100年位前だとずいぶん新しく見えます。
ここは2階に張り出しがあり、3階はさらに張り出しています。上に行くにしたがって、だんだん向かいの建物との隙間が細くなってますね。
たった3メートル足らずの、バルセロナで一番短い道。それでも壁には名前を彫った3枚の大理石の板が3面に貼ってあります。昔ここでアニスというお酒を水で割って、きゅっと飲んだところ。
ここも、かなり張り出してますね。
こんなにあちこち張り出していると、番地がどうなっているんだか・・・
夜のサンタ・マリア・デル・マール教会。
1428年、建設中のこの教会のバラ窓が、地震で落ちてしまいました。そのとき12人が亡くなりました。大きなバラ窓です。
柱に彫られている、荷物を運んでいる人たちは、船から重い石を運んでここに持ってきた運び屋さんたちで、この人たちがとても重要な役割を担っていたわけです。 というのも、船は沖に停泊し、荷物は一旦はしけに移してから陸に揚げ、さらにここまで運んだわけですから、担ぎ屋さんがいなくては到底不可能だったわけです。
海のカテドラルともいわれ、大火のあと、市民が協力してみんなで作った、市民の教会です。
この教会の横にあった墓地は、今は広場になっていて、24時間ずっと火が灯されています。
火はガスが燃えているのですが、Gas Naturalの提供で、作られたのは2年前。その日からずっと燃え続けています。
広場は浅いすり鉢のような形をしています。
週末はみんな遅くまでのんびり外で楽しんでいます。このときで12時くらいでしょうか。
長くなりすぎるので、第一回目はここまで。
つづく
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by gyuopera
| 2006-11-01 04:23
| バルセロナ案内 Barcelona
|
Comments(8)
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afoto at 2006-11-01 08:28
夜のこの辺りも風情ありますねぇ。リベラ地区ってその辺りなんですね。
こんなツアーがあれば、参加するの楽しいですね。
5年前の夜、中央郵便局へ小包を出しに行って、夜のサンタ・マリア・
デル・マル教会前で9時頃待ち合わせして、晩御飯食べに行ったこと
あるんですが、郵便局から教会までが、薄暗くて、怖げで、一目散に
走って行ったことがありました。今は、治安がよくなってるんですねぇ。
ガウディもモデルニスモもカテドラル周辺もいいけど、こういうあたりも
バルセロナらしくっていいですね♪
バルセロナにもロンハがあるんですね~。交易所みたいな意味でしたっけ?
こんなツアーがあれば、参加するの楽しいですね。
5年前の夜、中央郵便局へ小包を出しに行って、夜のサンタ・マリア・
デル・マル教会前で9時頃待ち合わせして、晩御飯食べに行ったこと
あるんですが、郵便局から教会までが、薄暗くて、怖げで、一目散に
走って行ったことがありました。今は、治安がよくなってるんですねぇ。
ガウディもモデルニスモもカテドラル周辺もいいけど、こういうあたりも
バルセロナらしくっていいですね♪
バルセロナにもロンハがあるんですね~。交易所みたいな意味でしたっけ?
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gyuopera at 2006-11-01 16:17
afotoさん、このツアーは本当に面白かったです。一人で夜こんなところを散策するなんて、今でもとても無理ですから。 昔はたいそう活気のある地区でしたから、ゴシック街よりももっと人間味にあふれているんす。
今でも暗く怖い道もたくさんありますが、一般にきれいになり、にぎやかになりました。きれいになったのは、道を整備するだけでなく、毎晩のように水で道を洗っているんですね。それに、こういう細い道に、どんどん魅力的なレストランなどがオープンしているんです。今度試してみたい。でもね、夜しか開かないレストランが多いんですよ。
今でも暗く怖い道もたくさんありますが、一般にきれいになり、にぎやかになりました。きれいになったのは、道を整備するだけでなく、毎晩のように水で道を洗っているんですね。それに、こういう細い道に、どんどん魅力的なレストランなどがオープンしているんです。今度試してみたい。でもね、夜しか開かないレストランが多いんですよ。
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jamartetrusco at 2006-11-01 17:13
夜のバルセロナの一地区を訪れることができて本当に楽しかったです。
下の教会、ロマネスクとゴシックが混じり合う、ヨーロッパの教会ではよくあり得ることなんでしょうね。まだこの2様式はしっくり融合できますね。やや素朴な様式にバロックの絵画や装飾が加わるとなんだか違和感ありますが。この騎士の足下に眠る犬(たぶん)は愛犬だったんでしょうか。動物がともにあるのも珍しいですね。
下の教会、ロマネスクとゴシックが混じり合う、ヨーロッパの教会ではよくあり得ることなんでしょうね。まだこの2様式はしっくり融合できますね。やや素朴な様式にバロックの絵画や装飾が加わるとなんだか違和感ありますが。この騎士の足下に眠る犬(たぶん)は愛犬だったんでしょうか。動物がともにあるのも珍しいですね。
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mayukuro at 2006-11-01 22:29
今日は訪問ありがとうございました。
バルセロナからいらしてくださったんですね~~^^
バルセロナはまだ訪れた事ありませんが、ヨーロッパは歴史のある
古い建物を大切にそのまま保存していて、見るだけで圧倒されますね。
カテゴリーの花のところで、ベランダにルリマツリが見事に咲いてるのに
ビックリしました。
そちらでもあるのですね~~
大好きな花で我が家でも鉢植えで楽しんでます。
リンクいただいていきますね。
バルセロナからいらしてくださったんですね~~^^
バルセロナはまだ訪れた事ありませんが、ヨーロッパは歴史のある
古い建物を大切にそのまま保存していて、見るだけで圧倒されますね。
カテゴリーの花のところで、ベランダにルリマツリが見事に咲いてるのに
ビックリしました。
そちらでもあるのですね~~
大好きな花で我が家でも鉢植えで楽しんでます。
リンクいただいていきますね。
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darklady at 2006-11-01 22:39
ご一緒に ツアーをしているような 楽しい気分になりました
とても 興味深い街の様子です
とても 興味深い街の様子です
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gyuopera at 2006-11-01 22:58
jamartetruscoさん、この地区、特に夜は今でも一人で散歩するにはちょっと怖いところです。それを、詳しい説明付きで歩けてとても面白かったです。
下のSanta Ana教会は、修復・増築された時は、ゴシックの時だったので、建築が入り混じっているんですね。こちらでは良くあります。
でも純粋のロマネスクの教会を見ると、とても素朴でいいですね。
下のSanta Ana教会は、修復・増築された時は、ゴシックの時だったので、建築が入り混じっているんですね。こちらでは良くあります。
でも純粋のロマネスクの教会を見ると、とても素朴でいいですね。
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gyuopera at 2006-11-01 23:00
mayukuroさん、早速のご訪問ならびにコメントをありがとうございます。
ルリマツリ、こちらではプルンバゴと呼ばれています。普通地植えになって、しなだれて咲いています。我が家のベランダは指して広くないので、みんな鉢植えですが、結構長い時間割いていてくれます。
アンティック大好きで、毎週のように蚤の市に行っては何か買ってきます。はてはネットショップまで作ったんですよ。サイドバーからお入りに慣れます。
ルリマツリ、こちらではプルンバゴと呼ばれています。普通地植えになって、しなだれて咲いています。我が家のベランダは指して広くないので、みんな鉢植えですが、結構長い時間割いていてくれます。
アンティック大好きで、毎週のように蚤の市に行っては何か買ってきます。はてはネットショップまで作ったんですよ。サイドバーからお入りに慣れます。
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gyuopera at 2006-11-01 23:02
darkladyさん、このツアー、3時間があっという間にたってしまいました。150枚くらい写真を撮ったので、もう少しアップするつもりです。
またこんなツアーがあったら、ぜひ参加したいと思います。
またこんなツアーがあったら、ぜひ参加したいと思います。