リセウ劇場でマスネの「ウェルテル」を鑑賞

昨夜はリセウ劇場で、マスネの「ウェルテル」を鑑賞しました。
かの有名なゲーテの「若きウェルテルの悩み」をオペラにしたものですが、本を読んだ時はそんなに感動しなかったのに、オペラで初めて見たときは、涙があふれ出て止まりませんでした。
マスネの音楽は素晴らしく、まさにロマンティシズムの「疾風怒涛」そのもの。このオペラは、私としては歌手よりも音楽が主役だと思います。

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リセウ劇場のHPでステージの写真を見ると、こんな感じで

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なーんでまっ黄っ黄なの!?
これだけでかなり見に行く気をなくしましたが、まあ、見てみなくてはわからない。

配役を見ると、ウェルテル役が Piotr BeczalaとJosep Brosのダブルキャスト、シャルロッテがAnna Caterina Antonacciと Nora Gubischのダブルキャスト。
Piotr Beczalaの録音を聴いたら、朗々と歌い上げる、これぞオペラ!的なテノールで、繊細なウェルテルを歌うのにちょっと・・・正直こういうのは苦手なので、昨夜はJosep Brosでまだましかな?でもあの声は悲劇的な役にはどうも?などと勝手なことを思っておりましたら、開幕の時、Josep Brosは風邪でキャンセル、代役のメキシコのテノールが歌います、と表明がありました。なんか、ほっとしたような。

昨夜はかなり寒かったせいか、空席が目立ちます。まあ、安い席ですが。高い席はさすが埋まっていました。
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さて、幕が開き、ウェルテルが自殺するときと同じ曲で始まります。
ステージは手前がくらいブルーグレーで、シャルロッテの家の庭、斜めにステージが区切られていて、向こう側がまっ黄の世界。ウェルテルの服は白だから、ライトのせいであんなに黄色なんですね。

写真はリセウ劇場のFBからお借りしています。大体ピヨトールさんの写真みたいですが。

幕が開くとこんな風です。もうウェルテルが自殺する場面。
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ウェルテルは好きなオペラなので、もう何度も生のステージを見ていますが、演出によってかなり印象が違います。私がものすごく感動したのは、20年前くらいのマドリッドのものでした。
その後チューリッヒで何度か見て、ザグレブでも見ましたが、シンプルなマドリッドのものが一番よかった。

今回もシンプルなステージングで、向こうとこちら側に分かれていて、その境に仕切りが出て来るだけで本当にシンプル。だから悪いのではな行けれど、まあみていてあまり変化が無いので、目をつぶって音楽に集中しました。マスネの音楽は本当に素晴らしいと改めて思いました。歌手がいなくてもいいくらい。

というのも、代役のテノールも頑張っていたのですが、特に初めは絞り出すような発声ですこし聞き苦しかったこと、シャルロッテもビブラートかけっぱなしでこれも聞き苦しかったこと。ソフィーももっと天真爛漫にすっと伸びる声で歌ってほしかった、などなど、歌手に不満が残りましたが、アルベール役と子供のコーラスはとても良かった。
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シャルロッテに恋してしまうウェルテル
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でもシャルロッテには、親の決めた婚約者がいて、旅から帰ってきて彼女と結婚することになっていたので、ウェルテルは絶望します。

前半の最後に歌われるウェルテルの絶望の歌は、本当に感動的です。
この時、ウェルテルは死を決意するのです。そして天の父に呼びかける「旅に出ていた子供が予定より早く帰ってきたら」の”Pere! Pere!" (アクセント記号が初めのeにあります)辺りで観客を泣かせられなかったら、そのテノールはウェルテルには向いていないと思います。
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シャルロッテに、「クリスマスに会いましょう」と言われて旅に出たウェルテルは、旅の途中で彼女宛てに何通も手紙を書きます。最後の手紙には、死をほのめかす言葉。それを読んでシャルロッテは心配でたまらなくなるのです。

そしてクリスマスの日、ウェルテルはシャルロッテのもとに帰ってきます。
昔と何も変わっていない、と言いながら、詩集を見せ、「オシアンの詩」がそのままウェルテルの気持ちになり、シャルロッテに愛を告白してしまうのです。

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ウェルテルの告白を振り切って奥にこもってしまうシャルロッテを見て、ウェルテルは「死の宣告」を受けたと理解し、シャルロッテの夫にピストルを借り、家で自殺を遂げます。

ゲーテの原作ではシャルロッテはそのままウェルテルに会うことはありませんが、オペラではシャルロッテが雪の中をウェルテルの家に駆けつけ、倒れているウェルテルを見つけるのです。そして瀕死のウェルテルに、自分もあった時から好きだったと告白。ここは原作と少し異なりますが、オペラらしくていいじゃないですか。
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死にかけているウェルテルはそれからずいぶん長い間歌うのですが(立って歩いたりして・・・苦笑)、まあオペラだから仕方ないでしょう。オペラの間、子供たちの「ノエル!ノエル!」と無邪気に歌う声が印象的です。

マスネのオペラは「マノン」もなかなかですが、どれかと言ったら、やっぱりこの「ウェルテル」が一番感動的で色彩豊かな音楽も素晴らしいと思います。


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by gyuopera | 2017-01-19 07:58 | オペラ、コンサート musica | Comments(0)

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