マドリッドへの小旅行 2 コンサート

今回の旅行の目的の一つであるコンサートは、3日続けてのコンサート。
フランスの作曲家 Edouard Lalo, Hector Berlioz, Georges Bizetの作品で、Berlioz の ソプラノもしくはメゾソプラノのための歌曲 Les Nuits d'Ete を、カウンターテナーのPhilippe Jaroussky(PJと省略します)が歌うということで話題になっていました。

ベルリオーズのこの歌曲はあらかじめ何度かいろいろな歌手で聞いていたのですが、中でも気に入ったのが Regine Crespin の録音でしたが、これがカウンターテナーの声で歌われるのはちょっと想像ができませんでした。

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ホールには、PJのポスターがどーんと。
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席は一番後ろ。ステージからは遠いように見えますが、床がせりあがっているので、案外近くに感じます。今回はフルオーケストラなので、ちょうどいいかも。
アナウンスがあって、写真を撮るときはフラッシュを使わないでください、と言います。ということは、大っぴらに写真を撮ってもよいということなんですね。
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オケの人たちがだんだんステージに上がってきて、おさらいしているのを聞くとわくわくしてきて。
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オーケストラは、スペインナショナルオーケストラですが、指揮がナタリー・シュトゥッツマン。映像ではよく見ていましたが、指揮するのを実際に見るのは初めてでとても期待していました。
黒いパンツスーツに白いシャツ、足取りも軽く登場すると, Edouard Laloの "Ouverture du Roi d'Ysの演奏が始まりました。
初めて聞く曲ですが、どんどん引き込まれていきます。一か所、ワーグナーのラインゴールドの一節に似たところがあって、ほぼ同時代の作曲家ですが、影響を受けたのでしょうか。
シュトゥッツマンの動きは無意識だと思うのですが、どこかエレガントで、かつパワフルで、とても素敵でした。彼女がいつも、あまり女性っぽい服装をしないのも好み。

こうしたフルオーケストラの生演奏を聴くのは、本当に久しぶりなので、その弦楽器の厚みに感動。
コントラバスは6人ですが、その3人までが女性。世の中、変わりましたね。

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さて、期待の「夏の夜」。とシュトゥッツマンが一緒に登場。
PJはとても頭が小さいので、かつらをつけたバッハのようなヘアスタイルの第一ヴァイオリンの半分くらいしかありません。

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「夏の夜」は6曲あり、

1.Villanelle

2. Le spectre de la rose

3. Sur les lagunes

4.Absence

5. Au cimetiere

6. L'ile inconnue

というタイトルが付いています。

ソプラノとは全く異なる音色で、軽やかに歌いだすと、ああ、まさにフランスの曲!と思わずにはいられません。繊細で、さわやかで、ベルリオーズが聞いたらなんというでしょう。曲はソプラノやメゾソプラノのために書かれたのに、詩の内容は男性が死んでしまった恋人を思っている内容です。男性が歌っておかしいことはないわけです。
3曲目は、恋人の死を嘆いている歌で、思わず涙が出てしまうほどでした。
最後は未知の世界に向かって船が進んでいく、私はとてもフランス的、と思いました。
全体に非常に高音から低音まで幅広い音域で歌われ、いたるところに宝石をちりばめたように繊細な発声で歌われ、心を打ちます。
わたし的にはこの曲で、ベルリオーズ再発見!でした。
観客も大いに沸いて、大喝采で、2日目は4度も喝采にこたえて出てきました。

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二人は大親友なんですね。
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後ろの席の人たちにも挨拶を忘れません。
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この曲を歌うのに6か月練習したんだそうです。
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休憩時間にサイン会があり、脇に怖そうなおじさんが立っていて、CDにサインするだけ、と厳しくチェック。CDを持ってきてなかったので、仕方なく脇でちょっと写真を撮らせてもらいました。

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後半は彼は歌わなかったので、サイン会のあと帰ったんじゃないでしょうか。

第二部は、またフルオーケストラで、「アルルの女}
あまりにも有名だけれど、こうして全曲聞くと、迫力があります!
フルートがいいなあ。でもオーボエが入るとフルートの音を消してしまう。
クラリネットは頑張り過ぎ。弦は息がぴったり合って素晴らしかった。
曲が終わると、シュトゥッツマンは、各奏者を立たせてねぎらいます。
彼女はあっさりしていて、深々と礼をすると、さっさと引っ込んでしまいます。
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アルルの女はとても印象が強烈なので、コンサートの締めくくりにはとてもいいと思いますが、さわやかなベルリオーズの印象を消してしまうので、2日目は前半だけで帰りました。
3日目は11時半からだったので、全曲聞き、その後サイン会があったので、CDを買ってサインをしてもらいました。
驚くことに私のことを覚えていてくれて、3日聞いたというと、
「どれがよかった?」と聞きます。
「2日目と今日」 というと、
「いい耳をしている。確かに後の日のほうが、リラックスしていたから」と。
そして、11月にバルセロナでバッハとテレマンのカンタータのコンサートがあるのですが、
「バルセロナのコンサートにも来てくれる?」と聞くんですよ。
「もちろんです!」と答えましたが、彼はとてもファンを喜ばせる会話をしてくれるんですね。3日間連続で歌って大変だったことでしょう。

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ナタリーさん(シュトゥッツマン)がサイン会に出られなかったのは残念でした。

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Commented by yokodak at 2016-10-27 22:00 x
gyuさん、こんばんは。マドリッドへの3日間の小旅行、相変らずのフットワークの軽さに感服いたします!
日本ではもうすっかりお馴染みの”指揮者シュトゥッツマン”によるフランスもの、興味深いプログラムですね。メロディ・フランセーズを色彩豊かに歌うPJならではのベルリオーズのLes nuits d'été 、是非とも聴いてみたいです。3日連続のコンサートでは初日と2日目は翌日に備えたかったでしょうから、サイン会も変則的だったのかもしれませんね。
しかし、おじさんのチェック付きサイン会なんて、日本ではよく見かけますが、らしからぬ光景ですね。この方式がヨーロッパで流行りませんように…(祈)。
Commented by gyuopera at 2016-10-28 23:21
Yokodakさん、いつもコメントありがとうございます。
サイン会の時、CDwomotteinakutehaダメ、なんて初めての事です。普通プログラムに貰うじゃないですか。今後、いつでもCD持って行ったほうがいいかもしれません。
PJ は、歌のあちこちに、ハッとするほど繊細な表現をちりばめて、いままでのソプラノの歌唱とは異なった、独特の演奏だったと思います。今後、ハンブルクでもうたうようですね。
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by gyuopera | 2016-10-26 02:41 | オペラ、コンサート musica | Comments(2)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera