一泊二日のパリ旅行2 オラトリオ「テオドーラ」

オペラ開演は7時半、霧雨の降る中を早めにシャンゼリゼ劇場に行きました。
劇場の前は人でいっぱい。

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席に案内されましたが、間違った席に案内されて、あとから案内の人に連れられて人が来て、ここだというのでびっくり。ちゃんと案内してもらったのに、係の人もエキスパートじゃないんですね。それで本来の席に移りました。満席だったので、重複していないでよかった。
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開演前、指揮者のクリスティが登場。

「これはオペラではなくて、オラトリオです。上演中の拍手やブラボーは控えてください」
静かな繊細なアリアが多いので、拍手やブラボーで上演の妨げにならないようにとの注意です。

「テオドーラ」は殉教のお話で、本来は時代は古代ローマ、キリスト教が禁じられ、信者は見つかり次第処刑されていた頃で、このお話も、主人公の二人が殉教する悲しいお話。

ステージはシンプルながら美しいものでした。
6枚の分厚い壁が左右に動き、場面を次々変えていきます。ライティングがとても効果的。
写真は劇場の物をお借りしています。

舞台は一人のキリスト教信者がつかまって処刑される場面から始まります。
兵隊のディディムは自分も信者であり、その残酷さに反発。怖い上官バレンスに叱り飛ばされます。

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処刑された人たちの写真が壁に貼り付けられてゆきます。
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信者が集まっているところに上流階級に属するテオドーラが来て、華やかなドレスや宝飾品を全部捨て、仲間になりますが、兵隊たちが来て、信者を連れて行こうとするので、テオドーラが、自分を連れて行ってくれといい、彼女は連れ去られます。

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彼女を愛しているディディムは、彼女を救おうと決心
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友人のセプティメを説得して、テオドーラのとらわれている部屋のカギをもらいます。
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この時ディディムの歌うアリア"Sweet rose and lily"がとても素敵です。

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テオドーラのとらわれている部屋に入ると、ディディムは彼女に、自分の服を着て逃げろと言います。初めは拒否していたテオドーラも、説得されて彼の服を着て逃れます。
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取り換え事件が発覚、ディディムは有罪を宣告されます。
そこに飛び込んできたテオドーラ、自分が処刑されるべきだといい、友人のセプティメも上官を説得しようとしますが、頑固なバレンスは二人とも有罪だといい、とうとう二人は処刑されるのです。

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この時のデュエットが本当に美しい。

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でも、処刑される瞬間は、壁が左右から出てきて見えないようになっていてよかった。

そして二人の写真が壁に貼られるのです。
最後の大合唱は本当に印象的で素晴らしいものでした。

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あまりにも美しく悲しいオラトリオでした。こうしてステージ化されると、一層悲しみが押し寄せます。これがコンサート形式だと、音楽だけなのですから、派手なオラトリオに感じることでしょう。

壁を動かしての舞台変換が素晴らしく、最後の壁に写真が貼られるとき、悲しみがじわっとわいてくるのです。また、何人も処刑されるのですが、銃声などが聞こえなくてよかった。

このオペラで一番感動的だったのは、コーラスです。教会でオラトリオを聞いているような感じで感動しました。クリスティの目的はそれだったのかな?
オーケストラはクリスティの率いる Les Arts Florissants, オリジナル楽器で、私のほうからはトラヴェルソがよく見えて、デオドーラが捕らわれの身になっているときにたいへん効果的に使われて、悲しみをよく表していたと思います。

歌手たちもそれぞれによかったし、美しい曲が目白押しで、オラトリオとしてはかなり派手かもしれませんが、オペラアリアとしてはどちらかというと地味で、セプティメ(テノール)のアリアがしいて言えばオペラ的。タイトルロールのテオドーラ役はKatherine Watsonで、派手すぎない声でバロックの歌唱をしっかりと踏まえていましたし、可憐な容姿も好感が持てました。期待のジャルスキーは、ステージの奥で歌うときのアリアの中音が多く、若干弱く感じたのですが、一曲一曲心を込めた丁寧な歌唱、非常なテクニックを伴うと思われるところも、それを感じさせないほど軽々と歌うところなど、さすがでした。服を脱いでテオドーラに与えるときのアリアは本当に美しくて、ピアニシモで消えるところなど素晴らしく、テオドーラとのデュエットもいずれもとても良かったと思いました。
セプティメ役のテノール、Kresimir Spicerはかなり難しそうなアリアが多く、ちょっと高音が苦しそうに感じたこともありましたが、とても頑張っていました。テノールでも落ち着いた暗めのしっとりとした声で、演技もなかなかでした。
上官のバレンス役のバス、Callum Thorpeは、リハーサルなど見るとちょっと気の弱そうな感じの人ですが、ステージでは意地悪上官を見事に演じ、勿論歌唱も声もなかなかでした。 信者のイレーネ役のStephanie d'Oustracは、どうも私好みの声ではなくて残念。また、たくさんアリアがある割には、彼女の存在もあまり意味がないように思われました。
英語で歌われたのですが、古い英語であることもあって、あまり聞き取ることはできませんでした。

カーテンコールは熱狂的で、何度やったか覚えていないほど非常に長く続きました。主人公の二人は裸足で下着のまま。寒くなかったかしら?
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日本の方もずいぶんたくさん見かけました。

劇場を出ると、クリスマスのイルミネーション!
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ふと見ると、目の前のタクシーに、指揮者のクリスティが乗っているではありませんか。相乗りしているようで、奥に誰がいるかはわかりませんでしたけれど、ずいぶん早く出ていらっしゃったようでした。
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そして夜のエッフェル塔!
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もう12時近く。ホテルの近くのレストランで、オニオングラタンスープをいただきました。
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大変なボリュームで、おなか一杯に。ホテルに帰ったら、興奮して眠れないかと思いきや、すぐ眠ってしまいました。


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Commented by yokodak at 2015-10-24 22:41 x
Gyuさん、素敵なレポートをありがとうございます!
私もルネサンス&バロック・オタク(?)の同行者とタイミングよく休暇が取れたので、一足早く久し振りのパリとテオドーラを満喫してまいりました。本当に悲しく美しいオラトリオでしたね。最後のデュオ、そしてコーラスでは思わず涙が溢れました。私はホテルに戻ってもなかなか寝付かれず、おかげで翌日は折角の旅先で朝寝坊してしまいましたが、あとはひたすら美術三昧。クセになりそうな弾丸ツアーでした♪
Commented by gyuopera at 2015-10-25 01:52
> yokodakさん
コメントありがとうございます。ちょっとオラトリオとは思えないほど劇的で印象的ですね。コーラスを聞くと、やはりオラトリオとは思いますが。
今また、Arteの動画を見て、曲を聴きなおし、やっと耳になじんできて、結構すごいアリアだったんだ、とか、さわやかで素敵、とか、また楽しんでいます。
美術三昧、いいですね。パリはミュージアムが多いからそちらはかなり楽しめますね。
どうぞ癖になってまた弾丸ツアーしてください。案外そういう方がたくさんいらっしゃるんですね。お買い物よ、なんていうのよりずっと素敵ではありませんか。
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by gyuopera | 2015-10-23 22:08 | オペラ、コンサート musica | Comments(2)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera