2015年 04月 16日
パリへ3 |
今日のコンサートは、Philippe JarousskyとピアニストJerome Ducros, それとQuatour Ebeneによる 「フランス歌曲」。
バルセロナでもやったけれど、Q Eveneとの共演も聞きたくて。
ちょっと驚いたことは、開演のベルがかなり長いことなっていましたが、それが終わっても、いくらでも人がぞろぞろと入ってくるんです。え、ここはスペインじゃないのに、スペインよりひどいじゃない?なんて思ってしまいました。
それにコンサート中、咳をする人が多くて、日本人だったらハンカチで口を押えるくらいしますよね。それをしないからよく響く。まあ、スペインもそうですが、バルセロナの時はそんなになかったように思います。劇場が小さいからでしょうか。音響はそんなによくなさそうなのに、咳はよく響きました。ジャルスキーの声はとてもデリケートなのに、そういう時にされるとね。
私はかなり横の席だと思ったら、ステージが案外近い。これはいい。
ステージには椅子が5つ。 クワルテットなのに?
みんながステージに登場すると分かりました。ジャルスキーはクワルテットの真ん中に座ったんです。で、コンサートの間、一度もそこから前には出ませんでした。まるで、クインテットで自分はボーカル担当、といった感じで。
曲目はヴェルレーヌの詩に作曲されたもので、ドビュッシー、フォーレ、ショーソン、アーン、ポルドヴスキー、レオ・フェレ、シャルル・トレネまで、非常に変化に富んでいます。
バルセロナのピアノだけのリサイタルと違って、クワルテットが入ると一層カラフルで変化に富んで、Qエベーヌだけの曲も3曲。
下手をすれば退屈になるかと思われるフランス歌曲のみのプログラム、ジャルスキーの声は非常に色彩豊かで絵画の展覧会を見ているようで、少しも飽きさせず聞き手をヴェルレーヌの世界に引き込みます。
前日まで体調を崩していたそうで、時にピアニストのデュクロ氏がちょっと心配そうな表情でジャルスキーを見ていたので、少し顔も赤っぽく見えたし、熱でもあるのかしら、と心配でしたが、一層細くなったこと以外コンサートではそんなことは全く感じられず、声はきれいに伸び、一度も無理な発声もなく、またQエベーヌも彼の繊細な声を少しも邪魔することなく、実によく計算されていて息がぴったりとあった演奏は、聴衆をすっかり魅了してしまいました。すごいプロ意識じゃありませんか。
演奏中の写真は禁じられていますが、アンコール以降はOKらしいのですが、ステージ写真はまるきりだめで、特にコンパクトデジカメでは悲しいほどの出来。
アンコールは3曲、バルセロナと同じで、楽しくリズミックな曲を歌って会場を沸かせました。3曲目のコロンビーヌは、後半のリフレインをバリトンの声で歌い、最後の部分は口笛を吹いて、今回はうまくいきました。バルセロナでは口笛がちょっとうまくいかなくて、口をへの字に曲げていたんですが。
コンサートの後は、恒例のサイン会。また長い長い列ができました。
一人一人にしっかり目を合わせて話し、名前を聞いてサインをしてくれるのです。こういうサービス、すごいですねえ。
私がスペイン語であいさつしたら、覚えていてくれて、
「バルセロナの時とだいぶ違ったでしょう」
というんです。そして、バルセロナはお気に入りの町で、また夏遊びに行くつもり、というのでうれしくなってしまいました。
この後ろに立っている男性は、ワーナーの社長さんだそうですよ。
帰りはエッフェル塔の照明がきれいでした。
もう12時だし、オムレツだけ頼みました。でもボリュームたっぷりです。
素敵なコンサートの余韻に浸りながら、ゆっくりとオムレツを食べました。
夜は静かに更けてゆきました。
ほんと、この地区は夜も全く危険な感じがないので、ここにホテルを取ってよかった!
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by gyuopera
| 2015-04-16 17:07
| オペラ、コンサート musica
|
Comments(2)
Commented
by
yokodak
at 2015-04-16 22:38
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Gyuさま、シャンゼリゼ劇場までいらしたのですね!
弦の響きが入るとさらに色彩豊かになって、彼の言うようにだいぶ違う雰囲気だったのではないでしょうか?このアルバムの選曲、曲順もよく練られていると感じましたけど、コンサートでもきっと効果的にピアノ・ソロやカルテットが挿入されて魅力的なプログラムに組み立てられていたのでしょうね。何とも羨ましいです!
リサイタルにはワーナーの社長さんも来ていたのですか。所属アーティストのコンサートに足を運ぶとは、なかなかマメな方なのですね〜(感心…)。
…それにしても、日本のコンサート・マナーが海外アーティストに高く評価される理由が解る気がしました(笑)。
素敵なコンサート、小さな夜の散歩、美味しそうなオムレツをいただいて、デスペラドスを飲み干して…エスペランサが湧いてきそうなパリの一夜でしたね♪
弦の響きが入るとさらに色彩豊かになって、彼の言うようにだいぶ違う雰囲気だったのではないでしょうか?このアルバムの選曲、曲順もよく練られていると感じましたけど、コンサートでもきっと効果的にピアノ・ソロやカルテットが挿入されて魅力的なプログラムに組み立てられていたのでしょうね。何とも羨ましいです!
リサイタルにはワーナーの社長さんも来ていたのですか。所属アーティストのコンサートに足を運ぶとは、なかなかマメな方なのですね〜(感心…)。
…それにしても、日本のコンサート・マナーが海外アーティストに高く評価される理由が解る気がしました(笑)。
素敵なコンサート、小さな夜の散歩、美味しそうなオムレツをいただいて、デスペラドスを飲み干して…エスペランサが湧いてきそうなパリの一夜でしたね♪
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by
gyuopera at 2015-04-19 19:50
Yokodakさん、コメントありがとうございます。
本当に素敵なコンサートでした。パリまで聞きに行った甲斐がありました。
プログラムの構成と選曲がいいのでしょうね。本当に展覧会を見ているようで、少しも飽きさせず聴衆を惹きつけていました。PJの繊細でカラフルな声は奇跡と言ってもいいほどで、フランス歌曲ならまた是非聞きたいと思ったコンサートでした。バロックを歌う時よりももっと親密感があるのですね。
PJに一番あっているんじゃ無いかと思いました。
本当に素敵なコンサートでした。パリまで聞きに行った甲斐がありました。
プログラムの構成と選曲がいいのでしょうね。本当に展覧会を見ているようで、少しも飽きさせず聴衆を惹きつけていました。PJの繊細でカラフルな声は奇跡と言ってもいいほどで、フランス歌曲ならまた是非聞きたいと思ったコンサートでした。バロックを歌う時よりももっと親密感があるのですね。
PJに一番あっているんじゃ無いかと思いました。