第51回フランセック・ヴィーニャス国際歌唱コンクール

今年もリセウ劇場でフランセック・ヴィーニャス国際歌唱コンクールが開催されました。今年は第51回。
このコンクールで優勝すると、賞金もかなりのものですが、即バルセロナのリセウ劇場およびマドリッド王立歌劇場との契約を結ぶことができるので、人気があるようです。

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去年の11月に、パリ、ニューヨーク、サン・フランシスコ、マドリッド、ミラノ、ロンドン、ハンブルグ、バルセロナのオペラハウスで初めの選考が行われ、選考にパスした人たちが、1月15日からバルセロナのコンセルバトリオでここの一次・二次の選考を受けました。
17日はセミファイナルに残った20人が歌うファイナルでした。
20人の内訳は、韓国6人、スペイン3人、ロシア2人、そのほかギリシャ・ポーランド、ジョージア、モルだ美、オーストラリア、英国、イタリア、アイスランド、ペルーから一人ずつ。今年もまた日本人は一人も選考に残りませんでした。
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さすが、残った人たちのレベルは高く、このままオペラで歌えるんじゃないかと思うほどのレベルの人ばかり。実際、すでにオペラで歌っている人もいるのではないでしょうか。
とにかく、上がってしまうなんて人は一人もいなくてステージ慣れして堂々としていますし、衣裳も豪華でガラ・コンサートのようです。

韓国の歌手のレベルの高いのには驚きますが、6人のうち4人が男性。特にバスの男性は素晴らしく、中でも一番だったのではないでしょうか。
ただ、残念なことに、全員が丸顔で、体に対して頭が大変に大きく(たぶん、日本人もそういう人が多いかと思いますが)、目をつぶっていれば全くOKなんですが、他の国の人たちと比べると、オペラ歌手としてはどうしても見劣りしてしまうんですね。

全体に言えることは、まだボリュームで押しまくる歌手が結構いること、声の色合いの変化にやや乏しいこと。歌唱はかなりのレベルでも、レチタティーヴォにもう少し改良の余地があるのではと思われること。

ヴェルディのアリアを歌った歌手がかなり多かったのですが、私自身あまりヴェルディが好きでないこともあり、いくつかを除き、ヴェルディのアリアは、音楽的にすぐれているとは思えないので、こうしていくつもヴェルディのアリアを聴いていると、「またか」という感じはぬぐえません。

一人、オラトリオ部門で残った人がいて、マタイ受難曲から一曲、シューベルトの歌曲を2曲歌い、オペラと違ってほっとさせる歌唱でした。
歌曲は本当に詩が大切で、言葉があって音楽がある、というだれかの言葉がよく理解できます。
ドイツ歌曲は特に言葉が明瞭で、曲とぴったり合って感動的です。

メゾソプラノでヴィヴァルディのアリアを歌った人がいて、バロックオペラ特有のhahahahahaの連続を見事に歌い、喝さいを浴びていましたが、これはかなり目立ち点数を稼いだのではないでしょうか。
ほかの歌手でバロックを歌った人が一人もいなかったので目立ちましたが、このごろいつもバロックオペラを聴いている私としては、hahahaは良くても、もっとドラマチックに歌えたのではとちょっと残念でしたが。
今は世界中かなりのオペラハウスでバロックオペラが毎年上演されれていることを考えればもっとバロックを歌う歌手が出てもいいと思うのですが。さらにカウンターテナーも一人もいなくて残念でした。
もう何年も前ですが、カナダのカウンターテナーがこのコンクールで優勝したことがありました。本当に素晴らしかったので、それまで抵抗のあったカウンターテナーのイメージを払拭してくれたのですが、あの人はまだ活躍しているかしら… 
今カウンター・テナーと言えば、Philippe Jarousskyをはじめとする素晴らしい歌手たちが活躍していて、時代が変わってきたことを実感します。

追記;入賞者の発表がファイナルの当日発表になりました。
一位は2人で、どちらも韓国のソプラノとテノール。二位が英国のソプラノ。三位がペルーのソプラノでした。
予想は全部外れ、いずれも私好みの歌手ではなかったので残念。
入賞者の皆さん。
(LiceuのFacebookのページからお借りしました。)
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入賞者のコンサートは19日に行われますが、残念ながら私は行くことができません。
19日はアムステルダムのコンチェルトヘボウでのコンサートに行くつもりです。


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Commented by ぐらっぱ亭 at 2014-01-20 08:55 x
gyuさま、お久しぶりです。以前もこのコンクールのことは貴ブログで拝見したような記憶がありますが、その頃よりも更に韓国勢が台頭していることと、依然として日本人が登場しないことに、落胆と腹立たしさを感じます。韓国人は日本人とどこか骨格的な差異があり、そのことが発生に大きく関係しているというコメントをプロの方から聞いた覚えがあります。同じアジア人として寧ろ喜ばしく思うべきでしょうけど、日本人が登場しないのはどう考えればいいのでしょうか。それだけの力量がないのか、そのコンクールを余り重要視していないのか、或は別の原因があるのか、gyuさんのご見解やいかに?ついでに中国人は、いずれ進出してきますかね?
Commented by gyuopera at 2014-01-21 21:03
♪ ぐらっぱ亭さん、こんにちは。
韓国勢が大変に音楽部門でレベルが高いことは、すでに10年以上前、ドイツで歌唱コンクールの審査員をしたアライサからよく聞きました。
私はフランセック・ヴィーニャスコンクールにはもう7,8年毎年見に行っていて、以前に増して韓国勢が増えたことを実感します。今回は受賞者のうち2人がそうですから、レベルが高い。
選考の初期に行ったことがあり(バルセロナまで来れる応募者は、当地の選考審査を2度パスしてきた人たちです)、その時日本人ソプラノもいましたが(経歴を見ると、イタリア留学をしていて日本でも歌を教えているほどの歌手)、たまたま同じ曲を韓国のソプラノが歌い、差は歴然でした。思うに、日本人は表現力に乏しいのではないかしら。言葉があって曲があるのです。
あの時は中国人の歌手も選考者の中に3人ばかりいましたが、最終選考には残りませんでした。
韓国勢は、歌唱コンクールだけではなく、フルートやピアノのコンクールでも非常に多いと聞きました。ほかの部門はよく知りませんが。
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by gyuopera | 2014-01-19 06:42 | オペラ、コンサート musica | Comments(2)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


by gyuopera