2009年 08月 05日
マヨルカ滞在記 11 Santa Maria de Bellpuig修道院跡1 |
アルタの町の起源とも言える、Santa Maria de Bellpuig修道院は、アルタの町の南3kmほどのところにある。
この修道院の僧たちは、13世紀初めに、マヨルカ島をイスラムの手から奪回した征服王、ハイメ一世に付随してきた人たちである。
1240年にはすでにこの修道院の創始者、Santa Maria de Bellpuig de les Avellanesの名前を取った修道院ができている。
と、解説書には出ているのに、ここに行くのは難しい。というのも、完全に放置されて遺跡となっており、道路から入る標識も全くないからだ。
このあたりは木がうっそうと茂っていて、道にも何の表示もなく、その修道院に行く入り口にも表示がなく、小さな木の柵の戸があるだけ。 これでは知らない人は見つけられないだろう。
幸い友人が冬さんざん迷ってここに行ったことがあって、近くまで車で行き、その小さな木の柵を見つけ、
「ここ、ここ!」
と言ったので、入ることができた。
実は、私たちは今日ここに来ることを予定していなかった。真昼間の一番日がかんかん照りつける2時に、二人ともワンピースでサンダル履きといういでたちだったので、車を止めてから、
「どうする?」
と聞かれたけれど、目の前まで来て入らない手はないと思い、
「行こう!」
と即答。
小さな戸を手で開けてまた閉めると、枯れ葉と岩の坂をしばらく上った。
すると、目の前に、ひっそりと礼拝堂。 13世紀あたりの礼拝堂は、後陣のない、単純な形のものが多い。
そして右手に広がる遺跡
強い日差しとサンダル履きにもかかわらず、遺跡の中に入ってみた。
修道院跡のほうの、一番右手から入ってみる。ここは昔台所だったところ。窯が見える。
壁に階段があるから、上の階もあったのだろう。
これは家畜のためだろうか
壁に残る梁の穴。梁は一本も残っていない。
壁のくぼみには、水や油などを入れたカメの跡
次の部屋に行く入り口
このアーチはイスラム時代(8~13世紀)のもの。ということは、ここにあったイスラム時代の建物を利用して修道院に建て替えたのだろう。
裏側から見ると、鴨居に木を使っている
その部屋にあった二階に上がる階段。登ってみたかったけれど、危ないかもしれないのでやめた・・・
もっとも、二階はもうないのだし。
小さめの部屋が続く
これも家畜用かな?
一番奥の部屋は2つに分かれているけれど、出口がない。
いったん外に出て
この半アーチの奥に入ってみよう
ここは崩れているけれど、もともとは二階建ての修道院の寝室や来客用の部屋、ダイニングなどがあったところ。
この部分は当初のではなく、15世紀にはいって建てられたものだという。
そのころは、この古い修道院を農場にして、ワインを作ったり、家畜を飼っていた。
ここは酒蔵だったそうだ。
そういわれてみればそんな感じ
そこを出て、礼拝堂のほうに行ってみよう。
つづく
↓クリックしていただけると励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。
この修道院の僧たちは、13世紀初めに、マヨルカ島をイスラムの手から奪回した征服王、ハイメ一世に付随してきた人たちである。
1240年にはすでにこの修道院の創始者、Santa Maria de Bellpuig de les Avellanesの名前を取った修道院ができている。
と、解説書には出ているのに、ここに行くのは難しい。というのも、完全に放置されて遺跡となっており、道路から入る標識も全くないからだ。
このあたりは木がうっそうと茂っていて、道にも何の表示もなく、その修道院に行く入り口にも表示がなく、小さな木の柵の戸があるだけ。 これでは知らない人は見つけられないだろう。
幸い友人が冬さんざん迷ってここに行ったことがあって、近くまで車で行き、その小さな木の柵を見つけ、
「ここ、ここ!」
と言ったので、入ることができた。
実は、私たちは今日ここに来ることを予定していなかった。真昼間の一番日がかんかん照りつける2時に、二人ともワンピースでサンダル履きといういでたちだったので、車を止めてから、
「どうする?」
と聞かれたけれど、目の前まで来て入らない手はないと思い、
「行こう!」
と即答。
小さな戸を手で開けてまた閉めると、枯れ葉と岩の坂をしばらく上った。
すると、目の前に、ひっそりと礼拝堂。 13世紀あたりの礼拝堂は、後陣のない、単純な形のものが多い。
そして右手に広がる遺跡
強い日差しとサンダル履きにもかかわらず、遺跡の中に入ってみた。
修道院跡のほうの、一番右手から入ってみる。ここは昔台所だったところ。窯が見える。
壁に階段があるから、上の階もあったのだろう。
これは家畜のためだろうか
壁に残る梁の穴。梁は一本も残っていない。
壁のくぼみには、水や油などを入れたカメの跡
次の部屋に行く入り口
このアーチはイスラム時代(8~13世紀)のもの。ということは、ここにあったイスラム時代の建物を利用して修道院に建て替えたのだろう。
裏側から見ると、鴨居に木を使っている
その部屋にあった二階に上がる階段。登ってみたかったけれど、危ないかもしれないのでやめた・・・
もっとも、二階はもうないのだし。
小さめの部屋が続く
これも家畜用かな?
一番奥の部屋は2つに分かれているけれど、出口がない。
いったん外に出て
この半アーチの奥に入ってみよう
ここは崩れているけれど、もともとは二階建ての修道院の寝室や来客用の部屋、ダイニングなどがあったところ。
この部分は当初のではなく、15世紀にはいって建てられたものだという。
そのころは、この古い修道院を農場にして、ワインを作ったり、家畜を飼っていた。
ここは酒蔵だったそうだ。
そういわれてみればそんな感じ
そこを出て、礼拝堂のほうに行ってみよう。
つづく
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by gyuopera
| 2009-08-05 21:42
| 旅行 viaje
|
Comments(6)
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じゅん
at 2009-08-08 09:49
x
gyuさん、おはようございます。
今週の関東地方は今ひとつはっきりしない天気が続いています。
気温が高い梅雨のような感じで、どうにも不快です。
さて、これはまさに遺跡ですね。
700年くらい前の建物ってことですよね?
ずいぶんキレイに残っているな~と感心しました。
こういったものが放置されているとは驚きです・・・
ということでまた。
今週の関東地方は今ひとつはっきりしない天気が続いています。
気温が高い梅雨のような感じで、どうにも不快です。
さて、これはまさに遺跡ですね。
700年くらい前の建物ってことですよね?
ずいぶんキレイに残っているな~と感心しました。
こういったものが放置されているとは驚きです・・・
ということでまた。
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yuu.k
at 2009-08-08 10:05
x
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grappa-tei at 2009-08-08 11:02
gyuさんたら、千枚も撮るんですかー!!??そりゃーメモリー・カード、一杯になるでしょう?4GBを2枚ぐらいは持っていないとダメでしょう。それにしても、この廃墟、人っ子一人いませんね。学術的にも相当貴重なものと思うのですが、やはり炎天下では寄り付きませんかね。
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gyu
at 2009-08-08 15:31
x
♪ じゅんさん、おはようございます。
そちらはまだ天気がすっきりしないようですね。不快指数が高いことでしょう。 こちらは毎日お天気で、たまには雨が降ってくれないかな、と思うくらいです。
この遺跡、かなり残っているでしょう? 見て歩いて、すごく面白かったです。こう見捨てられていると、探検している気分になりますね。
アルタの町にお金がないから、あまり修復作業がはかどってないですね。一般公開はしているものの、表示もないのは、まだ修復が始まっていないから、どんどん観光客が来て遺跡を傷められたら困るということなのでしょうか。誰もいない遺跡って、ちょっとわくわくします。
そちらはまだ天気がすっきりしないようですね。不快指数が高いことでしょう。 こちらは毎日お天気で、たまには雨が降ってくれないかな、と思うくらいです。
この遺跡、かなり残っているでしょう? 見て歩いて、すごく面白かったです。こう見捨てられていると、探検している気分になりますね。
アルタの町にお金がないから、あまり修復作業がはかどってないですね。一般公開はしているものの、表示もないのは、まだ修復が始まっていないから、どんどん観光客が来て遺跡を傷められたら困るということなのでしょうか。誰もいない遺跡って、ちょっとわくわくします。
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gyu
at 2009-08-08 15:35
x
♪ yuuさん、おはようございます。
この遺跡、まだ修復作業はほとんどされていないけれど、とても興味深かったです。いろいろ想像を掻き立てられて、写真撮りまくってしまいました。私は中学生の頃から遺跡がすきだったんですね。図書館にあるエジプト文明の本をほとんど全部読んだくらいです。
メキシコに住んでいた時も、マヤやアステカ、サポテカなどの遺跡を見て歩き、とても面白かったです。
この遺跡、まだ修復作業はほとんどされていないけれど、とても興味深かったです。いろいろ想像を掻き立てられて、写真撮りまくってしまいました。私は中学生の頃から遺跡がすきだったんですね。図書館にあるエジプト文明の本をほとんど全部読んだくらいです。
メキシコに住んでいた時も、マヤやアステカ、サポテカなどの遺跡を見て歩き、とても面白かったです。
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gyu
at 2009-08-08 15:48
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♪ grappa-teiさん、おはようございます。
そうなんです。ホント、笑われちゃうわね。気がつくとそのくらいとってるんですね。 特にこんなところはもう来れないと思うと、撮りまくっちゃう。
若いころは人物を入れた背景くらいしかとらなくて、マヤ遺跡などずいぶん行ったのに、そんなに写真がなくて、今かなり後悔しているんですね。
ここはすごい遺跡ではないけれど、とても興味深くてたくさん撮りましたよ。
入口に何の表示もないので、一般の人もあまり知らないんだと思いますが、ここはこの町の起源になるところですから、もっとちゃんとしておくべきだと思いますね。
そうなんです。ホント、笑われちゃうわね。気がつくとそのくらいとってるんですね。 特にこんなところはもう来れないと思うと、撮りまくっちゃう。
若いころは人物を入れた背景くらいしかとらなくて、マヤ遺跡などずいぶん行ったのに、そんなに写真がなくて、今かなり後悔しているんですね。
ここはすごい遺跡ではないけれど、とても興味深くてたくさん撮りましたよ。
入口に何の表示もないので、一般の人もあまり知らないんだと思いますが、ここはこの町の起源になるところですから、もっとちゃんとしておくべきだと思いますね。