リセウ劇場のオペラ「サロメ」

昨夜は、リヒャルト・シュトラウスのオペラ、「サロメ」を見にリセウ劇場へ行きました。

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アボノを買っているので、いつも席は同じ、平土間の真ん中あたり。
この位置は、ステージもよく見えるし出る時もさっと出られるのでいいのだけれど、椅子がちょっと高く、足の短い私にはチョイ、つらい。
で、いつも暗くなると、バッグを床に置いて、その上に足を乗っけている。だから、固めの、足を乗せても型崩れしないバッグを持ってゆくんです。

暑い季節になると、みんな服装もラフな人が多くなって、せっかくの立派な劇場なのに、と思うのだけれど、仕方のない傾向なんだろうか。
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さて、オペラ、ステージ写真撮影禁止なので、リセウ劇場のHPから拝借。


時代は本来なら、預言者ヨハネ(イエスに洗礼を与えた)が出てくるから、紀元一世紀のはずなのだけれど、現代に置き換えている。そんなに違和感はないかも。

ヘロデ王の宮殿の兵士たちは、ブラックスーツにサングラスといういでたちで、みんなピストルや機関銃を持っている。お城のパーティに飽き飽きして出てきたサロメは白のドレス。
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地下牢に捕らわれている預言者ヨカナーンの声を聞いたサロメは、衛兵隊長にヨカナーンに会いたいと頼みこみ、牢から出てきたヨカナーンに恋してしまいます。

このとき、地下牢に長い梯子をおろすが、ヨカナーンはそこから出てくるのではなく、舞台の袖から出てくるので、初め誰か分かりませんでした。それも背広姿のサラリーマン風。
牢に戻ったと思うと、またそのあたりを歩いている。 ?? です。

ヨカナーンに恋したサロメは、彼にキスしたいというが、邪淫の王妃の娘だと彼女を糾弾するばかり。それでもまだ同じ言葉を繰り返すサロメに、ヨカナーンはがっくり。このところで客席から笑いが漏れました。

パーティの席に戻ったサロメは、ヘロデ王に舞を所望される。初めは拒絶していたサロメですが、望むものを何でもやろうとの申し出を聞き、踊ることを承諾。

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宮殿のはずなのだが、立派なシャンデリア以外は、ビニールハウスのような広間。
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サロメが踊る7つのヴェールの踊りの場面では、ヴェールを一枚ずつ脱いでゆく妖艶な踊りのはずだから、見所の一つなのだけれど、今回の演出では踊りはほとんどなく、ビデオ(DVD?)を映写するので、がっかりした人も多かったのじゃないでしょうか。それも、サロメが櫛で髪をとかしているところで、踊っているわけではないのです。ヘロデ王の欲望を現したような映像に、彼は途中で怒って止めてしまうのです。

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王は焦りながらも、何でも欲しいものをやろう、というと、サロメは、「銀の盆に載せた予言者ヨカナーンの首」と答えます。サロメの母ヘロデアは、彼女の悪徳を暴いたヨカナーンが憎いので、「流石私の娘。でかした」と喜ぶのです。

それだけはだめだ、という王に、サロメは「ヨカナーンの首を」と繰り返すのです。

とうとう最後にはヨカナーンの首がサロメのもとに届けられます。
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意の通りにならなかったヨカナーンの唇にキスしたサロメは、

「お前の唇は苦い味がする。それは血の味? それとも愛の味だろうか?」
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その姿を見たヘロデ王は、

「彼女は化けものだ」

といい、兵士たちに彼女を殺すように命じます。
兵士達の楯で押しつぶされるのが本来の話ですが、この演出では兵士は現れず、生きたヨカナーンがそこに立っているのです。 驚くサロメ。

ここで幕が下りるのですから、みんな、拍手をしながらも首をかしげている。

配役は

ヘロデ王   Gerhard Siegel

ヘロデア    Vivian Tierney

サロメ     Erika Sunnegardh

ヨカナーン   Robert Bork

指揮      Michael Boder

演出      Guy Joosten。


歌唱に関しては、特に感動的というほどではなかったのは、クールな感じの場面のせいもあったかもしれない。感応的なリヒャルト・シュトラウスの曲は、到底口ずさめるようなメロディーではないけれど、オーケストラが厚くて、声を消してしまい気味だったんじゃないでしょうか。

近頃はごひいきの歌手も少なくなったので、オペラを見ても昔ほどの感激がなくちょっとさびしい思いをしています。

また、演出も、現代にするものが多くなったとおもいます。時代に沿ったものがいいとか、クラッシックがいいとは一概に思わないのですが、こういうのを繰り返し見ていると、どれも似たような感じがするから、飽きてくる。
なかなか、本当に満足した!といったステージに当たらなりました。


今日の私たちのクワルテットのコンサート、かなり良い出来でしたよ。

やれやれ、これでやっと今期はコンサートが終わりです。


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Commented by YuccaR at 2009-06-22 09:58
サロメ、すごい演出ですね。歌が聞こえなくても胸がいっぱいに・・・
Commented by r at 2009-06-22 10:11 x
リセウ劇場のアボノ持ってらっしゃるんですね・・・
写真を見てると、また行きたくなるからつらいところです。
いよいよバカンスのシーズンなんですね。
Commented by grappa-tei at 2009-06-22 11:54
立派な劇場ですねー。でも、聴衆の格好はカジュアルなんですか。旅行者ではなく、地元の人たちも?しかし、流行とは言え、こういう現代風に置き換える舞台ばかりで、何か寂しいですね。一つは経費の切り詰めということもあるんでしょうかね。たまにはしっかり昔風の重厚なコスチュームで、オリジナル通りに見たいですよね。
Commented by gyu at 2009-06-22 14:40 x
♪ Yuccaさん、おはようございます。いくつもコメントありがとうございます。私のほうはなかなかコメントできないでごめんなさい。
サロメの演出は、悪くはなかったけれど、やっぱり7つのヴェールの踊りのところではちょっとがっかりでしたよ。
スター歌手が歌うオペラは、だんだんすたれつつあるのかしら、と思いました。
Commented by gyu at 2009-06-22 14:44 x
♪ r さん、おはようございます。
去年からリセウのアボノを買っています。以前はみたいオペラだけ、7月の発売日に並んで買っていたのだけれど、アボノでも数が少ないのがあって、それと、その中にはないみたいオペラのチケットのバラ買いです。
r さんもリセウでオペラを見られたんですね。
だんだん、昔のようなスター歌手の出演がなくなってきたように思います。普通にオペラを楽しむのならいいんですが、スター歌手が歌う時のあの興奮がないのはちょっとさびしいです。
Commented by gyu at 2009-06-22 14:50 x
♪ grappa-teiさん、おはようございます。
リセウは火事で焼けて立て直してから今年で10年。以前と同じホールを再現していますが、前よりずっと見やすくなりました。とても立派ですし、球形の時の食べるところも広々として充実しています。
服装がねぇ、地元の人たちも、特に若い人はラフになりましたね。私が初めて見たころ(リセウが焼ける前で、考えたら25年前)は、みんなフォーマルでしたよ、本当に・・・
オペラというと、別世界、というイメージが強かったのですが、演出も現代ものがほとんどになり、だんだんその感じなくなってきましたね・・・。
来期は「バラの騎士」があるんですが、それもモダンかなぁ…そうだったら、つまんないなぁ・・・
Commented by patronistaT at 2009-06-23 02:12
お久しぶりです。
火災から10年ですか、早いものです。
ファッションの過剰カジュアル化は、TPOも崩しつつありますね。
こういった場所、高級ブティックなどへは、敬意を払う意味でも
汚いスニーカー等はやめてほしい!
そんな服装しか持っていない人は行かない方がいいと、
ちょっと過激な意見かもしれないけどそう思います。
リセウへ度々行っていた時は、庶民に混じってもっぱら桟敷席でした。
Commented by gyuopera at 2009-06-23 07:04
♪ patronistaさん、こんばんは。
ずっとお忙しかったようですね。どうしてらっしゃるかなと思っていました。
リセウが焼けたのは1994年でしたね。あの火事の日、私はリセウの前にいたんですよ。まだ消防車も来ていず、窓から煙がバーっと出て、何事かと思いました。と見る間に屋根からもくもくと黒煙が・・・ それからボケリア市場に行って、お店の人に「リセウが燃えている」と言ったけど、誰も信じませんでした・・・・その夜のニュースはその火事でもちきりでしたね。悲しかった。
5年間、オペラはTeatro Victoriaでいくつかやってました。やっと再建された1999年は本当にみんなわき立っていました!もちろんこけら落としのTurandotは見に行きましたよ!
オペラハウスに入る時は、最低のマナー、周りの雰囲気を壊さない、演奏者に敬意を払うためにも、ある程度きちんとした格好で行ってほしいですね。
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by gyuopera | 2009-06-21 06:52 | オペラ、コンサート musica | Comments(8)

私と一緒にバルセロナを散歩しましょう Vamos a pasear conmigo en Barcelona!


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